mikuru510号さんの投稿一覧

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  1. 評価:4.000 4.0

    喉にフタがあるのって吃音だけじゃないよね

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    当事者としてはこの作品は待ってました…!って感じ。吃音の作品が作られるたびステレオタイプががちがちに固まっていって、「あなたは違う」と思われてしまうのが怖かったから。
    これまで読んだ作品のほとんどの設定はこんな感じ。
    吃音の人は暗い。喋りたがらない。オドオドしている。猫背。人生を悲観している。消極的→周りの人の支えで吃音を受容していく。回避、社交不安重め。話すこと以外で生活を乗り切っている。
    この作品の古賀さんは
    明るくもないけど暗くもない。話したいけど人に気を遣って話せない時がある。基本的に症状を出すときは堂々としている。
    おしゃべりではないけど無口でもない。

    もちろん上記のような当事者もいっぱいいる。でも徐々に吃音の認知度が高まっている令和にわざわざ書く設定なのかなと思ってしまう。理解されても葛藤してしまう、奥深いところまで丁寧に書いてある。

    特に良いなと思うのは吃音がない人でも噛む人はいっぱいいるし、電話が苦手/嫌いな人もいることをさらっと描いているところ。
    吃音と噛むことは違うけど吃音を持っていなくても非流暢な自分の話し方に苦しむ人がいるのは間違いない。
    「吃音=話すのが苦手」ではなく、「吃音→滑らかに話せない時がある」がよく分かるようになっている。

    古賀くんは歌はどもらないけど音痴(らしい)。
    吃音→歌なら歌える→上手くてそっちで活躍みたいなわかりやすい(けど雑)設定にしていないのが良い。

    普通に見える人もみんな気を遣いすぎたり、心の中で思っていることが言えなかったりする。(社長だけは空気が読めなくてフタがないだけどこれはこれで困っている。)だから「僕ら」なんだよね。
    藤井さんは少し私の周りの人に似ている。優しい人ほど優しさや配慮が空回りする感じ。

    唯一嫌だった点はルナの彼氏?のフタまで開けてしまっていること。これは見たくなかった。同じシーンを「開」で描くならルナの方で良かった。
    dvの人の心の中まで覗きたくなかった。読んでいてすごく苦しい気持ちになったし、何があろうと暴力はダメだと思う。

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