4.0
少女漫画?重厚な宮廷風刺劇?
少女漫画か....
だから、読者に近い年齢層の主人公が男女ふたり用意されたのかな。14歳の宮廷道化師少年と、侍女一人を連れてどこかから王宮に帰ってきたけれど、その道化の少年以外誰にも出迎えてもらえなかったラックス王女も道化師よりちょっと年下。
処刑された第2王妃の娘ということでハブられ、全く孤立した存在であるラックス王女が、後見人もないのに王位継承争いに参加することになるらしいのは、ちょっと無理設定じゃない?
何せ競争相手がまばゆすぎる。文武両道に長けて才色兼備。しかも政治力があって多くの貴族にリスペクトされ、王宮の隅々まで自分の命令を行き届かせる実力もオーラもある大人なヴェローナ王女。彼女は愛された第1王妃の娘。
道化の見た宮廷世界というのは漫画として独創的だけれど、原則的に誰にも与せず皆を笑わせて回るという役目柄の人物の視点に、読者は否応なく付き合わされる。だから、気分的に落ち着かない状態に引き摺り込まれてしまう。道化少年は不憫なラックス王女に熱心に肩入れするかと思いきや、ちょっとヴェローナ王女のダンスの相手をさせてもらった途端、最大限にぽおーっとする。「なんだこいつ」って思ってしまうから、(第19話現在)読んでいてあまり面白くない。
しかし、斬新な企画であるので、毎日無料でもう少し読み進めてみようとは思う。イギリス王室の遠い記憶をそれとなく取り込んだ、実は重厚な作品かもしれない。その場合、少女漫画の枠を超える可能性を秘めている。
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道化師の憂鬱