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アザミは生い立ちが特殊であることを今まで気づけなかったことが悔しいだろう。でも過去だから変えることはできない。しかし、それよりもアザミは心の中に占める彼の存在の大きさに愕然とする。
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アザミは生い立ちが特殊であることを今まで気づけなかったことが悔しいだろう。でも過去だから変えることはできない。しかし、それよりもアザミは心の中に占める彼の存在の大きさに愕然とする。
警察に電話した時点で出て行ったからよかったものの、かなり危険な状況だった。あのまま殺されてしまう可能性だってあったから、凄く運がいいとしか。
ウヌの機転で悪い女官たちは殺されずに済んだ。ウヌは世子のおかげでやっと眠りにつくことができた。
傷や火傷の手当てもしてもらえたから、後はゆっくり心と体を休めてほしい。世子も二度と彼女が傷つくのを見たくはないだろう。
バルトとクレアの関係は以前より深まり、互いに求め合う間柄になっているが、クレアの存在が相変わらず不確定要素に溢れている。
瑠奈が陸の気持ちを知る日はくるのだろうか?陸は瑠奈への思いをいつまで胸にしまっておくのだろうか?
乙ちゃんはいつ自分の本当の気持ちに気付くのだろうか?
今更のように思うけど、やはり人の心を和ますのは冷たい北風より、あたたかな陽の光なのだと。店長もスタッフもみんなが救われた。
セへラに復讐より仲間を救い出すことを優先してほしいと願う双子たちは本当にいい子に育った。皇帝も断るわけにはいかなかった。ジェイソンのアリエンに対する気持ちを感じたアルヘンも随分と大人になったものだ。
ルーアの毅然とした態度と振る舞いは素晴らしかった。これでいい。ひとつピリオドをつけて次へ進む為に今まで辛いことに耐えながら頑張ってきたのだから。
アザミも両親との関係で重いものを背負わされ生きてきたようだ。この若さで背負うには重すぎる負荷を背負い続けなければならないのは酷すぎる。
そういうことだったのか。母親とのいびつな関係が彼の人間性を歪め、こうするしか快楽を得ることができなくなってしまった。精神的な病というにはあまりにも残酷だ。隔離するしかないだろう。
十億のアレ。~吉原いちの花魁~
050話
50話 第25話 原動力(2)