5.0
泣けますよ!
とある小説の中華王朝の皇帝に転生した主人公と、その宿敵であるヒーローとの恋愛話です。ヒーローの祖国は、主人公が転生する前の皇帝によって滅ぼされており、主人公とは敵同士。主人公の国の捕虜になっています。主人公は自分と自国がヒーローによって滅ぼされるのを知っており、なんとかそれを避けようとヒーローに親切にし優遇します。また、主人公は皇帝としての責務を全うし国を守るために奮闘します。それを傍で見ていたヒーローが、だんだん主人公を好きになり、なんとか振り向かせようとするのですが、、、。主人公の皇帝は鈍感で、すれ違いが続くと。
転生ものやファンタジーは好きではないのですが、中華風に興味をそそられ、あまり期待せずに読み始めました。無料分が多かったので。読み始めると、これがまた面白い。主役2人のキャラにブレがなく、それぞれ魅力にあふれているため、読んでいても全く違和感ありませんでした。すれ違いの期間がものすっごく長いのですが、それを超えて二人の想いが通じ合った時の感動は、何物にも代えがたいものでした!二人の幸せを願っているけれど、なんだか怪しい雲行きで。。お互い好き同士だからハッピーかといえばそうでもなく、せつないシーンが続きます。お互い責任ある立場で敵同士なだけに、純粋に好きな気持ちだけではいられず、一緒にいたいのに一緒にいることでお互いを苦しめる、苦しい立場に追い込まれていきます。泣けました。めちゃくちゃ泣けました。切なくて、苦しくて、悲しくて、さみしくて。可哀そうでした。
その後、またなぜか主人公は物語の別人物に転生し、その人物でハッピーエンドになります。別人として…。最初はとまどいましたが、ヒーローがその別人物が愛していた主人公だとわかると、再び巡り合えたことに歓喜し、自然と受け入れていくので、主人公の外見だけではなく中身を愛していたんだなーと分かり、納得できました。逆に、主人公とヒーローは祖国の敵同士であったため、立場上どうしても前の姿で結ばれることはできなかったんだと思います。別人にしたことで、うまくハッピーエンドにもっていけたので、それで良しと思いました。長編ですが、気になった方はぜひ。
- 0
悪役として生き残る方法