親から見ると、兄も弟も何も言わないのに、なんでカリナだけが一々うるさいんだ、という話なんですよね。
内心疎ましく思っているから、執務机に子供達の肖像画を飾った時も、無意識にカリナを省いた。
風邪を引いたと告げた時、風邪くらい何だ、と一蹴するどころか、最初から虚言扱いなのも、そういう悪意が根底にある。
弟妹なんていなきゃ良かった、と言って叩かれたのは、恐らく、母親の心の闇を反映している。アベリアのために誰よりも自分の時間を削り、解放されたいと思っているのは、他ならぬ母親でしょうから。図星を指されたようで嫌だったのではなかろうか。
両親がカリナをサンドバッグにして、心の安定を図っていた疑惑。
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余命わずかの脇役令嬢
027話
第27話