この期に及んで修道院行きに拘るサンドラが分からない。仮に成功したとして、同じ屋敷に殿下がいるんだから、取り戻しに行くに決まっているだろう。
もしこの人が、伯爵が言う「聡明で慈悲深い」女だったというなら、愛人時代に歪んだという事なのだろうか。
サンドラのマーガレットの言葉を聞いていると、「役立たず」なのは顔しか取り柄がない自分で、「卑しい」のは血筋の低い自分だと、自らの劣等感を裏返しているように思えてならない。
前妻の血筋の良さに対抗できるものがあるとしたら、美貌ではなく品格だと思うんだけど、育った娘がアレである。結婚前に既に子供を作っている事といい、サンドラって平民なんだろうか? 私だってド庶民の分際でこんな事は言いたくないが、やはりお里が知れるという事なのかなあ。
でも、一番悪いのは、彼女をここまで精神不安に追い込んだ旦那ではなかろうか。サンドラがリリアーナを虐待し始めた時に、伯爵が毅然と対応していれば少しは違ったろうに、ここまで無策に放置した夫は、本当に妻を愛していると言えるのか。
一家揃っての散財の原因も、結局はそこに集約されるのではなかろうか。折角借金を肩代わりしてもらったのに、返済せず次の浪費に走った挙げ句、更なる援助を求めて無理を通そうというのはもう立派な病気である。今で言う買い物依存症なんだろうな。
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記憶喪失の侯爵様に溺愛されています これは偽りの幸福ですか?
047話
第20話 帰る(2)