2.0
縦スク作品の中では良作。でも……
転生モノの韓コミの中では、かなり読める方だと思います。テンプレモラハラ男や頭おかしい悪役などは居らず、男尊女卑の風潮色濃い宮廷社会で男装して頑張るヒロインにも好感が持てる。
……けど何かこう、今ひとつ物足りないんだなー。男尊女卑色濃い宮廷社会での女性のエンパワメントて点では、TONO先生の名作「カルバニア物語」がそれは見事にストーリーを通じて描写してるし、コルセットからの解放云々という時代風俗の変遷にしても、もとなおこ先生の「コルセットに翼」に比べると、どうしても物語全体が薄く感じてしまいます。異世界転生してデザイナーに、という設定自体も、なろうの女性向けジャンルでは何年も前からよく見るシチュエーションだし。
「カルバニア物語」「コルセットに翼」は男装女子や若い女王、男尊女卑時代に職業婦人として自立する女性などがメインキャラで、単行本で10巻を越える長さで彼女たちとその周囲を描いた群像劇でもあるので、単純にこの作品は前述の作品に比べて圧倒的に本編の尺が足りなかった、という側面もあるかもしれません。以前も別の作品のレビューに書いたけど、縦コミはグラフィックノベルに近く、1スクロールで表示出来る情報量がマンガに比べて少ないので、こうなってしまうのは仕方ないかもしれないんだけどね……。
とまれ、フルカラー縦スク作品の中では、かなり良作だったと思います。
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異世界女王と転生デザイナー