4.0
血の滲む努力も結局他人には伝わらない
あるあるだなーと思って読んでました。
マリアベルほどの努力じゃないにしても、どんなに家庭のために、パートナーのために、子供のために尽くしても、パートナーにはさも当然のような顔されてる人、ごまんといるんじゃないかな。
早い段階で「女は男のサポートをするのが当たり前だから、男は完璧じゃなくて良いけど、女は常に完璧で当たり前」という考えがおかしいとマリアベルに気付かせるシーンがあって、いつまでも馬鹿な男のためにウジウジして時間を無駄にせず、すぐ立ち上がるところがとても良かった。
王子は無神経でただの馬鹿。浮気相手も違うベクトルで馬鹿。
浮気相手の方が、まだ裏表がなく可愛げはある、普通の女の子といった感じで、まあ好きになるのはわかるかな。
よく漫画で描かれる「わざと他の女を蹴落とす卑しい女」じゃないから、読んでて嫌な感じではないです。
王子は「女は完璧で当たり前」の王室で育ったからこそ、完璧じゃなくても気にしない平民が物珍しく魅力を感じたんだと思うけど、王家にいる以上、ただ快活で魅力的なだけでは不足だと理解できない。
平民はしがらみが少ないから、自由で魅力的に見えたんだろうし。縛り付けたらその魅力は失せると思う。
自分がその分カバーできるほど優秀ならまだしも、教育係曰く王子はそこそこできるようになるとやめちゃうタイプ。
だからこそ王室的には、マリアベルのような「完璧な淑女」とセットでなければいけなかった。
王子としては恐らく、幼い頃から側にいたマリアベルがあまりにも完璧だったから「ちょっとやれば皆この程度になれるんでしょ?」というナメた考えがあったんだろうな。
ナチュラルにパートナーをナメてる人って結構いるけど、そういう人が「突然」別れを切り出されたり「突然」相手がキレだしたりするとか言ってるのって、こういうことなんですよね。
まだ途中までしか読んでませんが、王子も自分がマリアベルをナメてたこと、そのせいでこうなったと気付くのには相当な時間がかかりそう。
マリアベルが幸せになって、もっと表情豊かになったところを早く見たいです。
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真実の愛を見つけたと言われて婚約破棄されたので、復縁を迫られても今さらもう遅いです!(コミック)