5.0
ラストまで読んでの感想
ラスト、哲雄は捕まり裁判にかかる
もちろん大事件・大ニュースとなり世間で賛否が巻き起こる
私刑は許されない、家族を守るためなら自分もやるかも…とインタビューが流れ、この漫画の読者の感想のように意見は真っ二つ
裁判の結果は不明なまま
量刑も、どの罪が認められての判決なのかも分からない
間違っていなければ哲雄は4人殺害しているが…最初の方の事件に関してはもはや証拠がないし、傷害致死や保護責任者遺棄致死、なんなら過剰防衛でもいいのでは?という経緯の事件もある
全ての経緯を読んで把握している読者でも哲雄を裁くのは難しいと思うのに、相手は反社の人間で半数以上は遺体も凶器もない、哲雄と生き残った関係者の話だけでどこまで事実認定するのか
刑が重ければ自白だけで判断したことになり、
刑が軽ければテロ行為なども行っているのに甘すぎるとなってしまう
正直どちらにも納得行かないと思うので判決は不明でもあまり気にならなかった
ラスト直前の「if」を読んだときに何より思ったのは、
・ヤクザ、半グレ、カルト宗教などの反社がいなければ哲雄は平凡な男のままでいられたこと
・反社を国家権力が取り締まっていれば一般市民が暴力に暴力で対抗する必要もないこと
・警察が信用されていれば、哲雄は最初の事件以降の罪は犯さずに済んだこと
哲雄の妻、歌仙さんもある人物の殺害を決意する場面があり、それでもいざとなると手を下すことができなかった
哲雄はそこで手を下せる人間なのは間違いないし、狂った人間たちと対等に戦える哲雄もまた怪物なのだと思うけど
何事もなければ死ぬまでずっと怪物は眠ったままだった
本当に、平凡だけどこんなに幸せな世界線があったはずなのにという「if」で、
とにかく悲しいというか悔しくなった
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