ぜらniウムさんの投稿一覧

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81 - 90件目/全103件
  1. 評価:5.000 5.0

    半世紀前の作品、もはや古典の名作

    リアルタイムでは無いのですが、かなり以前に読んだこと有ります。
    それでも、イマドキの漫画とはかなりノリが異なるので、雰囲気に慣れるまで時間がかかります。

    まず絵柄は、デジタルでは無く、当然アナログですが、スクリーントーンさえほとんど使われていません。
    印刷でつぶれてしまうせいか、背景の書き込みも最小限度で、より人物に近づいた映像表現に感じます。

    特に人物像が、今とはだいぶ違います。
    「子供は子供」で、「大人は大人」です。
    誇張は有るでしょうが、少年たちはどこまでも少年で、騒がしく、無邪気で、悪気無く、それ故に残酷で…
    教師、校長先生、エーリクの弁護士、母の婚約者 等々
    大人たちは、いつでも子供たちを守り、導きたいと努めています。
    鞭で手をたたこうとする(多分当時でも)時代遅れの先生も登場しますが、彼でさえ、生徒の事は心配しています。
     ※ユーリの祖母は例外

    あらすじを表現するのは難しいです。「BL」というとなんか違います。
    何とも比べようも無い、あの年代特有の「少年」の「愛」です。

    • 0
  2. 評価:5.000 5.0

    似鳥ユキエは実在する

    漫画だからと安心してはいけない。 似鳥ユキエは実在する。
    知人の看護師(複数)から直接聞いた失敗談には、もっとエグイのがあった。

    とは言え、心の内をさらけ出すのは漫画だから表現できることで、
    実際は口にも顔にも出さずに(ましてや手も出さずに)看護師さん達は我慢しているのだ。

    主人公の行動を見ている分には笑えるのだが(あくまで他人事でかつ漫画だから)、
    患者を中心に目を移すと、途端に切なくなる。
    ある程度の年齢になると、自分や身の回りの誰かと重ねてしまうせいだろうか。

    似鳥ユキエが実在するとして、製昨年代を考えると、今頃彼女も50代。
    婦長さんになっているのだろうか?
    ……ちょっと怖い。

    • 0
  3. 評価:5.000 5.0

    意味を求めちゃダメ

    全力で、真面目に、ふざけてる、作品です。

    この作者さんは「パトレイバー」で超メジャーになったと思いますが、
    この作品はいい意味で「プロっぽくない」「同人誌的」「部活のノリ」が感じられます。

    世の中に受けるかどうかじゃなく、自分が面白いと思うかどうかで描いてるというか。
    (勿論読者を置き去りに、独りよがりで描いてるわけではありません。念のため。)

    「パトレイバー」のメカニックやバトル部分より、『閑話休題』部分が好きだった人にはおすすめです。
    自転車・掃除機・炊飯器・野球のバットやグローブ…周りにあるもの全てで遊んでる。
    怒られそうなこと、考えつくこと迷わず描いてる感じです。
    部活を中心とした学校行事を色々取り上げているので、自分の生活と比べてそのばかばかしさが一層際立ちます。

    意味を求めないで、ただただ読んでる時間を楽しんでください。

    • 0
  4. 評価:5.000 5.0

    タグにある通り「キャラが魅力的」

    これは番外編ですが、十分楽しめます。
    本編は、歴史的な出来事や人物が多数描かれているため、何の予備知識なしに楽しめるこちらの方が、むしろおすすめかも。

    人物の書き分けも素晴らしく、衣装だけでなく、顔の造作も地位や性格を表現しているのはさすがです。
    美しい人は男女関わらずあくまで美しく、可愛らしい人は可愛く可愛く。
    お姫様の塗り絵が大好きだった元女の子なら、無理なく楽しめる木原ワールドです。

    • 1
  5. 評価:5.000 5.0

    波津さん作品要素の詰まった 初期短編集

    ネタバレ レビューを表示する

    表現方法いろいろの短編集

    怖くない少しだけホラー要素のあるしっとり系
     →不思議な猫は、波津さん作品の重要な要素です
    東京の下町ちゃきちゃきのおじいちゃんが出てくるコメディ
     →お茶目なおじいちゃん達は、波津さん作品の常連キャラクターです
    愛する人の死を受容れられない女性がエンバーミングを利用する、現実可能なある意味一番怖いお話
     →どうやって死を受容れるか、波津さんは様々な手法で描いています
    仕事に没頭するあまり、夫とすれ違う女性もいます
     →一般的な女性と異なる趣味嗜好を待つ女性、波津さん作品で多く見られます
     →他国の古い文明へ興味を持つ人は男女関わらず大勢登場します

    つまり、この初期作品集を気に入った人は、波津さん作品はほぼほぼ好きになる…ってことかな。
    どうか、一人でも多く波津さん作品にはまってくれますように
    (そうすれば、ほかの波津さん作品も掲載されますよね)

    • 1
  6. 評価:5.000 5.0

    お猫様

    登場人物(?)はみんな訳アリっぽい
    それをエラい順に表記すると
     猫(絶対普通の猫じゃない。 人語を話す? ご近所猫の顔役。 必ず書生君に頭突き喰らわす。)
     小説家(過去に何かあって、今に引きずっている? 飄々としているが、ただのスットボケじゃないと思う。)
     書生(本作の主人公だと思うのだが、主張弱め。 現在進行形で家族と問題有りか?)
    女性から送られてくる手紙に記された不思議話を基に随筆を書く小説家。
    その文章を清書する書生。
    全部解ってるよとでも言いたげな猫。
    主要人物だけでなく、世の中もあやかしの存在を認めている世界観なので、
    「昔はこんな事ほんとにあったかも」「今も自分が気付けてないだけで存在するかも」と、
    不思議世界に浸れます。
    まだ始まったばかりで何も謎は解明していませんが、その分続きが楽しみです。

    • 2
  7. 評価:5.000 5.0

    単品でも読めます

    シリーズものですが単品でも読めます。

    このシリーズに限定せず、この作品の前後に描かれたものと比べても、本作は絵の雰囲気が異なる。
    線が非常に細かい。「春の夢」のタイトルにはふさわしいのでは?

    ちょい役とも思われる登場人物にもしっかり肉付けがしてあり、安定安心の読み心地。
    (迷信深いマージが少し嫌味なお兄さんに負けてないところとか)

    1944年の冬、第二次世界大戦下が舞台ですが、
    「ウクライナ」や「ユダヤ」等、今もニュースで取り上げられる名前がある。
    今の世の中を見て、エドガーやファルカ、ブランカ、大老ポーは何を思うだろうか…と
    本作とは関係ない事までいろいろ思ってしまった。

    絵柄の好みさえ合えば、いろいろ考えてしまうくらい浸れる作品世界だと思う。

    • 0
  8. 評価:5.000 5.0

    人を呪わば穴二つ

    皆から愛される玲琳をうらやみ妬み、入れ替わる慧月。入れ替わりさえすれば幸せになれるはずだったのに…
    愛されていたのは「外見」のみではないのだから、思う通りにならないのは当然だが、余りの病弱さに苦しむ。
    病に対する精神的な抵抗力もないため、愛される幸せを享受するどころではない。
    一方、慧月の中に入れられた玲琳は健康な体を活かして、今までできなかった事をこれでもかと楽しむ。
    中身:玲琳(外側:慧月)はやりたいようにやっているだけだが、その善良で裏の無い行動が周りを変えていく。

    入れ替わりで自分を乗っ取られたら、中身:玲琳(外側:慧月)が「計画的に」中身:慧月(外側:玲琳)を
    追い詰めていくストーリーが、ありがちかと思いますが、この主人公の行動に計画性は無い。
    慧月は慧月自身に復讐されていくようなもの。
    ある意味、慧月が玲琳に入れ替わった時点で、慧月には「詰み」で、
    ふたつ掘った穴のうち、ひとつに入っていたんですよね。
    その一方で玲琳は、穴のふちに両足架けてにっこり笑ってる感じでしょうか。

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  9. 評価:5.000 5.0

    一大叙事詩 最終章の幕開け?

    待ってました!!
    読み進めるの楽しみ! でも終わりが近づくかと思うとそれは嫌!

    エドガーが一族の他の者と少し違うことの謎や、ポーの一族の誕生と歴史に関する答え合わせ的なお話になるのかな?

    この作品単独では意味をなさないので、これまでのお話を復習してからお読みください。
    そうでないと「これ誰?」「何火傷?」「薔薇のオイル?」「裏切者?」と訳分かりません。
    私も改めて復習してきます。

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  10. 評価:5.000 5.0

    ひんやり、しっとり、草木や花の匂い

    この世のモノではないモノが見える主人公
    明治の初め西洋文化の流入で、暗がりに住まうモノたちが消えゆく時代が舞台

    平成4~7年(1992~95年)の作品だが、
    制作年代を推察しにくい独自の画風のため(極端だが、例えば70年代のまつ毛びっしりきらきらお目めなど、
    その時代ごとの特徴的な絵柄があるが、波津さんは時代におもねらない画風だと思う)
    30年前の作品を読んでいるという余計ななつかしさ抜きで、物語世界へ没入できる。

    その絵柄も、デッサン云々で好き嫌いは有るかと思うが、この世界には合う美しさ。

    沙羅の木、桜、萩、薔薇、白百合……
    どの話もきっちりかっちり終わるのではなく、残り香がふうわりと漂う。
    おすすめ!

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