5.0
ただ愛し愛されめでたし、ではない
多くの方が書かれていますが、このお話は不幸な令嬢が強くて美しい騎士に愛され、いつまでも仲良く暮らしました…という単純なものではありません。以下は、漫画に先行して書かれた原作小説に言及しますので、ネタバレがダメな人はここまでにしてください。
始めの頃こそマクシーはリフタンの過剰ともいえる激情に圧倒されます。しかし彼に愛され、本来持っていた前向きな性格と彼女の良い面がどんどん花開いていきます。それは愛するリフタンの役に立ちたい一心から来るところでもあるでしょう。しかし「愛する人のために何かしたい」このような気持ちを自分に向けられたことがないため(それは彼も愛を知らずに育ったからですが)、リフタンはマクシーの気持ちが理解できません。お互いを苦しい程思っているのに、深いところで何かがかち合っていない。そのため真の意味で2人が愛し合うようになるまで、読者も身を切られるような辛い長い紆余曲折を経ます。小説第1部終わりでは悲し過ぎて泣かされ、第2部では長い行き違いに疲れさせられ、最後には表現し切れない幸福感でいっぱいになり、また涙。
まさかこんなに心を奪われる物語だとは予想もしていませんでした。軽くめちゃコミで読み始めた漫画だったのに。笑
現在小説はRIDIで韓国語、mantaで英語で読め、新たにkindleで11月に英語版が出版されるようです(紙書籍も)。どれも翻訳アプリを使って読めるので、先が気になる人には強くお勧めします。読み進めたくて寝不足になること間違いなしです。そしてその後も沼にハマったまま、何度も読み返してしまうかと…。とにかく中毒性が高いお話です。これは主人公達を取り巻く周りの人々にも大きな魅力があるためだと思います。マクシーに暴言を吐いたあのウスリンすら、少しコメディっぽく読めてしまえる場面がいくつか出てきます(あの暴言はやっぱりイヤだけど)。
本編は本当に長いので、リフタン外伝から読むのもお勧めです。その後漫画を読むといろいろ分かりやすいことも出てきます。
全て読み終えて数ヶ月経ちますが、まだまだその魅力に囚われています…♥️
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オークの樹の下