5.0
人の感情を強く揺さぶる作品
良し悪しはともかく、人の心に強く働きかける強烈な作品だった。初めてこの作品を目にしたのは第一子妊娠中のことだった。初めての妊娠で胎動を感じ始めたばかりの頃、最初は幸せだったのに気持ち悪くて、恐ろしくて、でもそんなことを誰にも相談できず、自分は母親失格だと悩んでいた。私ももともと精神状態が悪く(病名は聞いていない)、結婚して引っ越すときに主治医と相談の上薬をやめたので、状況も少し似ていた。
妊娠中は健康な人でも心身に大きな負荷がかかる。素養のある人なら尚のこと。だから、知らなければよかったのに、この本を目にしてしまって酷く動揺し、悩んだ末に読んだ。同時期、周産期医療をテーマにしたドラマも見るか迷ったが、そちらは助産師さんに止められて産後に見た。
私は結局、1人目の子に睡眠障害があったことや頼れる人がおらず夫も仕事で殆ど家に帰れないことなどが重なり、意図せず年子で2人目を授かった時の強いつわりがトドメとなり鬱の診断を受けた。今もさまざまな支援を受けながら子育てをしている。
この作品を読むことで、このような病気がこの世に存在するのだという知見を得た。そして、この物語の主人公と自分とが大きく異なることにより、逆に安心感を得られた。
妊娠出産は怖い。育児も。何一つ思い通りにならない。全て誰かの手を借りなければいけない。痛い。苦しい。でも、後戻りはできない。だから、色んな人を頼って抱え込まないことが大事なのだと改めて思う。
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妊娠したら死にたくなった~産褥期精神病~