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千遥くんが恋を知る話
これは思春期の千遥くんの成長物語だと思います。
幼馴染みで兄妹のような関係の絃が千遥くんに片思いして、そんな絃に弥太郎が片思いして…千遥が絃の思いに気づいてから三角関係がこじれていくんだけど、その原因はコールドスリープとか幼馴染みだったからとか、全然関係ない!
コールドスリープから目覚めて7年のブランクがあるから現実世界に心が追い付いていかないから、ではなく
妹のように思っていたのに急に好きだと言われても…と戸惑っているからでもない。
そもそも恋をして女の子を好きになるって気持ちを知らない
千遥くんがウブで経験不足なことが根本的な問題で、三角関係がこじれていった原因だと思う。
他人の事には気も利いて聡いのに…17年間友達と恋バナとかしたことなかったの?と疑問ですが
千遥くんは本当にピュアでウブで汚れてないw
そんな千遥くんに周りが振り回されているだけ。
題名が「春に目を醒ます」とありますが
千遥が兄として絃にとってきた行動、例えば
自分が絃に一番に想ってほしい、絃の事は全て知っていたい、絃の好きな男が誰か気になる、自分が一番絃のそばにいたい…という今までの思いや行動すべてが
「これは妹に対する行動じゃなかったんだ!これが人を好きになるってことか!人を愛するってこういう気持ちか!」と目から鱗が落ちるように千遥が恋に目覚める、というのが話の核心だと思いました。
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君は春に目を醒ます