4.0
世界観が破綻なく良作
転生ものの一つで、現代ではなくその世界で悪妻と謂れたまま死に、同じ世界の18歳のある日に生き戻った貴族女性の話。
自分の読み方として、転生ものは現代的知識や過去の記憶で生き抜くチートの有無を問わず、その世界の伝統やしきたり、宗教観、人々の営みや常識などが統一されていないと気が散って読み進められないタイプの人間です。絵も人体構造に無理な造作がなく、時々挟まれる解説やエピソードにも理解を助けられました。
主人公含めて登場人物の一人ひとりに背景があり人間らしさも魅力ですが、ある一定以上読まないとわかりにくいかもしれません。物語初期の主人公の行動は横暴に見えますが、精神的な幼さと回帰したからこその将来への不安、頼る相手が誰もいない孤独感を考えると腑に落ちます。(2ヶ所だけ気になる点がありましたが、本筋に影響のない些細なものです。)
一話一話に進展が見られ、中弛みは感じませんでした。伏線の回収も見事だと思います。
低評価の方もおられますが、ある程度読み進めてからご判断いただくと感じ方も変わるのではないかと思います。
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結婚商売