5.0
78話までの感想
序盤は、ママと子どもたちとの心理戦、ノーマン、レイ、エマの互いを想いあうからこその駆け引きがおもしろい。
予想外の展開、ほどよいスピード感のテンポとアクション、それぞれの心情の臨場感のある描写、伏線の張り方と回収、すべてがつながる整合性などなど、多少の都合の良さはあるがどれも素晴らしく、物語に引き込まれる。
エマたちは11歳とは思えない面もあるが、頭脳明晰というキャラ設定とエマの無邪気さやノーマンやレイが完璧ではないところ、3人のはるか上をいくママの聡明さとミステリアスな雰囲気という大人感が対照的で、加えてストーリーのおもしろさなどから、年齢は気にならなくなる。
知性と合理性で動くノーマンとレイに対し、感性と愛で動くエマ。3人が中心の物語だが、そのなかでもエマが主役なのだなと感じる。
ノーマンの出荷シーンは、生きていそうだが何が起こったのか、ママが何をしたのか、後々どこでどう登場するのかと期待させる絶妙な描き方。
ママの真意は脱走当日まで謎に満ちているが、ただ子どもたちを犠牲にしているわけではなく、出荷は避けられないもの=寿命のように捉えているようで、その日までは幸せにと本当に愛情を注いで育てていると思うとなんだかせつない。
純粋で真っ直ぐなエマの、周りへの素直な愛情表現との対比とも感じる。
脱走後は、手がかりを残し外の世界へと導いてきたミネルヴァの謎がメインだと思う。
危険な狩場に越させるという矛盾。なぜ?狩場を作った非道な鬼たちと何か関係があるのか?
本とペンは両方なければ先に進めないが、エマたちは、ペンはシスターという部外者から偶然手に入れた。本来なら手に入らなかったはずだ。なぜそんな助け方なんだろう?
ミネルヴァは善意で導いているのか?真意は?
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約束のネバーランド