4.0
目の色で決めなくても
国王夫妻の娘として生まれたフィーネ。
目の色が金色だと言うことで、不吉だとは言われていたけど、両親には愛されていると思っていた。
でも、違ったのだ。
怒らせたりしたら不幸が起こると思い、当たらず触らずで過ごしてきただけのことだったのだ。
しかも、干魃で娘を生贄にしたらいいのではと国王も考え、フィーネを生贄にすることにした。
泉に落とすのも、声を取り上げ、足に錘もつけて。
自分の娘を皆のために生贄にするという慈悲深い王を演じるには十分な演出だったのだ。
でも、落とす直前になって雨も降ってくる。
これでは生贄も必要ないのでは、と、異国の王が救いの手を。
彼は自分の妃にと言うのだ。
確かに雨が降ったのなら生贄は必要ないだろう。
その前に、不吉な言い伝えのある金色の目。
その彼女をこんな処遇にしたら、この国に不幸が押し寄せるとか考えなかったのかしら。
自分の家族を大事にしない人は、国王失格です。
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孤高の王は囚われの姫から愛を知る