樹がぎゅっと相手の手を握るのは、このお父さんから教えてもらった方法なんだね。言葉で伝えられないけど、気持ちが伝わる方法。
美和子の叔母さん、厳しいけどすごくいい人だね。親と疎遠になってる美和子の親代わり。ちゃんと美和子と亘と生まれてくる子供のことを考えて、美和子に覚悟をさせた。亘のことも見抜いてるし。
亘はまだまだ精神的に弱くて、本当は美和子に頼りたいんだと思う。所属クラブの合併が決まって本来はそこに残りたかったのに、家族のためにオファーがきていた より活躍を求められる一部リーグのクラブへ移籍した。
父親として頑張らなければという思いが強かったと思う。本当は迷って決めたことを美和子に知ってもらい、精神的に心を安定させたかったのかもしれない。
でも美和子は樹にばかり気がいく。当然だ。小さい子供だから。亘は今まで心の安定を保っていた美和子とのコミュニケーションの時間が精神的に十分に得られないことに加えて、移籍のストレス、確実に活躍を求められるプレッシャー、父親としての責任感、なんかいろいろ亘を追い込み追い詰められていた時に、あの怪我。
亘はどうなっちゃうんだろう。あの樹のトラウマになるくらいの出来事が起きてしまうには、いろんなことが重なったせいだったんだろう。
起こるべきして、起きたのかもしれない。
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ちよにやちよに
060話
60. 花園 亘③