自分が鞭を受けることで弟を守れるならって、弟は父と継母の実子なんじゃないの? それなら後継ぎなのだから、大事にされてたのでは? ヒロインに懐いてたから可愛がられてなかったとか?
そして伯爵家なら侯爵家への嫁入りは願ってもないことなのでは。
それなら姉を嫁がせそうなものだけど、借金の形だったから条件が悪かったのかな。嫁がせる前から蔑ろにされることがわかってたから、ヒロインを厄介払いしたんだろうか。
ヒロインは実家での経験で人間不信気味だと思うし、以前の侯爵と記憶喪失中の態度が違いすぎて、期待するのも怖いんだろね。だって幸せな時間を過ごしてしまえば、それが失われた時の喪失感は幸せを知らなかった時よりもきついもの。
侯爵の方は、恐らくこれが本来の姿なんじゃないのかな。
何か理由があって女嫌いになり、それがヒロインへの態度に繋がってそう。そもそも忘れてるはずのヒロインにベタ惚れなんだから、よほど好みのタイプだったか実は、みたいなのがありそう。
さて、ヒロインの秘密はなんだろう?
鞭の傷なら医者がほのめかしてたから、侯爵は察してると思うけど、ヒロインはそんなこと知らないからな。
何か他のことだとすると、これ以上なにが···
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記憶喪失の侯爵様に溺愛されています これは偽りの幸福ですか?
010話
第4話 零れた涙に立てた誓い(2)