ここまで一気に読んだけど、単なる恋愛話ではなさそうでかなり面白い。優しい人格者に見えるセイオッドだけど彼の過去を描写する際に出てくる表情は“怒り”。いわゆる畜生腹ってヤツで理不尽に虐げられた過去。自分の意思に関係なく、家の都合で高い地位に据えられた現在。もしかしたら彼は身分制度やそこにいる人々さえ憎んでいる?
貴族の身分を当然としながら社会主義者を気取るダニエルよりも実はずっと根深い反逆者かも。キーサに対する気持ちも全てが嘘じゃないと思うけど都合よく利用してるのかな。最初の方では悪役に見えたヘイズルも結局は都合よく利用される側の人間。この時代、女性が本当の意味で自立するのは至難の業なのだろう。立場の違う二人だけどそれぞれが本当の意味で自由になれる事を期待したい。
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あなたが私を手に入れたいのなら
020話
あなたが私を手に入れたいのなら(20)