5.0
気持ちがよくわかる
藤子ちゃんの最初の卑屈さ、とってもわかります。
自分も子供の頃から背が高くて男扱いされがちで、女の子らしい物を身につけることに強いコンプレックスがあって、せめてと思って髪を伸ばし、傷つけられる前に自分から自虐ネタで笑い話にしようとしたり…藤子ちゃんと同じようなことを、藤子ちゃんより歳をとってもやっていました。
しかも藤子ちゃんほど元の顔が良いわけでもなく、藤子ちゃんよりよっぽど【ヤバい】喪女でした。
合コンのシーンで藤子ちゃんの卑屈さに嫌悪感を持たれる方の気持ち、無事彼氏ができて脱処女した今の私ならようやくわかります。必要以上に自らを貶めて空気を凍り付かせたり気を遣わせたり…かなり痛々しいですよね。過去の自分を思い出すと、恥ずかしくて心臓がギュウっとなります。
でも、あんなふうに振る舞ってしまう藤子ちゃんの気持ちも痛いほどわかるんです。だって、人に言われて傷つくのは怖いから。口に出さなくても、心の中で笑われるのは怖いから。
なんなら小柳さんと両思いになってからも卑屈が抜けきらずに「自分なんかが」みたいになる藤子ちゃんの気持ちも超わかる。なんで自分なんかに?すぐ愛想尽かされるかもしれない。振られるくらいなら自分から離れたほうが…全部身に覚えのある感情です。作者様、あまりにも感情描写と気持ちの変化を繊細に、的確に描いていらっしゃるので、藤子ちゃんみたいな方なのかな、実際に経験されたのかな、と思ってしまうほど。
ほとんど自分語りになってしまったけど、当初の藤子ちゃんの痛々しさも、ゆっくりすぎて少しイライラしちゃうほどの藤子ちゃんの成長も、小柳さんの粘り強い愛情も、生々しいほどにリアルだとわたしは思いました。続きが楽しみです!
オススメ。
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やわ男とカタ子