5.0
方言が彩る極上のラブストーリー
「アフターグロウ」を読んでノックアウトされ、この作品にも飛びつきました!
「アフターグロウ」の表紙を見たとき、 何だか分からないけど、これは絶対読むべきだ、と思ったのを覚えています。読んでみたらやっぱり「最高!」と叫びだしたくなるような素晴らしさ・・・いや、口に出して叫んでいたような気がします。
なので、今回も期待大で読み始めました!
みるみる物語の中に引き込まれ、携帯も普及していない昭和のお話が、なんとスムーズに展開されていくのか。 作家さんの、緻密に考えられたストーリー展開と時代背景、様々なシーンの丁寧な描写が私の心を鷲掴みにしました。
大学理学部の先生である鵜飼先生と学生である土岐の優しく温かい愛情のやり取りが、長崎弁なのでしょうか、 少し古い九州の方言で紡がれていて、ふたりの純粋な愛が、より一層際立っています。
大学生と小学生として10年前に一度出会っている2人が、 大人になって再び出会います。お互いに家の事情や辛い過去があるのですが、離れている時間を埋めるように惹かれ合い、愛し合うようになるのに、それほど時間は掛かりません。
前途ある若者を同性愛の道に引き込むことに対する迷いからくる鵜飼先生の逡巡を、若い情熱で跳ね除けていく土岐の一生懸命さが愛おしいです。
少しレトロさを感じる絵がお話とマッチしていて、また良いです。ガッツリ筋肉ボディなのもポイント高い。「アフターグロウ」の時にも感じたけれど、Hシーンはかなり濃厚です。でも、色気だけじゃない……作家さんのこだわりを感じます。
とりあえず、一段落しているようなしていないような・・・・・・完結にはなっていないので、更に続いていくはず!という希望的観測を持ちつつ、続きを楽しみにしたいと思います。
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真夏のユリイカ