2.0
可もなく不可もなく
シンデレラ・ストーリーにするために、妖狐の当主のやり方に大きな矛盾が生じたように思う。あやかしの花嫁は、より強い跡継ぎを生むから出会ったあやかしの男は、人間の女性に一目惚れする。主人公の妹・花梨は、幼少期に妖狐に見そめられる。後々、姉妹間のトラブルがこじれて、妖狐の現当主・撫子は花梨を息子の花嫁と認めない、という決定を下すけど、家の存続的にはどんな女性だろうと娶ったほうが有利ということだと思う。あと、妖太と花梨本人の責任が無いとはいえないけど、花梨の年齢を考えると、主人公が卑屈なことと、花梨の傲慢なことは、一つの物事の表裏で、どちらのほうが優れているとも思わなかったし、親の責任が大きいと思う。
親を本人の意志関係なく飛ばす力(財力権力妖力)があるなら、撫子は、花梨を親とも息子とも引き離して軟禁、再教育すれば良かったのに。倫理的ではないけど、設定から考えるとそれくらいありそう。そもそも格差社会、人間は妖怪より下、妖怪は過去の恩義や妖力や金に物を言わせて、人間をマイルドに支配することが容認された世界観、そのためある意味、ゆずや他の女性と違い、描かれないだけで「あやかしに選ばれなかった女性」とつがうしかない人間男性は、もし花梨のような傲慢なあやかしがいたとしても、下手に出るしか無いのでは?なんか可哀想な感じがする。
話の中で描かれていないから、そこはただの想像だけど、妖狐が鬼や主人公の味方をするのが不自然で、ご都合主義に感じました。その点以外は、普通のシンデレラ・ストーリーです。
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鬼の花嫁