5.0
愛するが故に酷い突き放しになったのかと
このうえない幸せな結婚式…と思ったら、皇帝が『お隠れ』になり、カイゼンが次期皇帝になった。
その途端、カイゼンが「父が望んだ結婚、私は少しも望んで居なかった。」
こうして、アステルは一夜にして后妃にならずに帝国を去った。
『一夜限りの妃』と言うレッテルを貼られて。
この最初の出だしで、どれだけ酷い皇帝なんだ!このクズ皇帝め!アステルが可哀想過ぎる…
だけど、読み進めると帝国の危機が迫りつつあり、アステルが去ってから、あっと言う間の歳月が過ぎただろうと言うのが分かった。
息子テオールが5歳になり、皇帝の子供と言うのを隠さざるを得なかった。
息子を帝国の紛争に巻き込まれない為に。
ましてや、アステルの父親からも隠さないと、父親がテオールを利用して、皇帝を陥れて来るかもしれなかった。
娘のアステルが自分の父親を十分理解し警戒してた。
そして最大の重要ごとは、太皇太后がアステルに遺した形見の南部領地。
皇帝がアステルを探して6年ぶりに会うまでは、皇帝派と貴族派の水面下の闘いが繰り返し続いた。
貴族派が前皇帝を操り、皇帝は傀儡でしかなかった。
カイゼンは南部領地を貴族派に与える事が無いように、アステルが全て皇帝に委任する事を望んだ。
南部領地が膨大な資産の中心になり、貴族派(特にアステルの父親)の手に渡さない為に。
かと言ってアステルに再会してからは、カイゼンの彼女に対する接し方は、“愛”の言葉以外無いほどの接し方。特に、舞踏会辺りからのカイゼンの言葉には胸が熱くなって、いよいよ旅立ちの日には、「全てにおいて悪かった」…と。
だけど、又何やら、アステルの父親が…
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皇帝の子供を隠す方法