3.0
ちょっとモヤモヤ、少しイライラしました。
ヒロインのサリーシャは「瑠璃色のバラ」と謳われるほどの美貌ながら、王太子妃には選ばれず夜会の襲撃事件で王太子を庇って(本当に狙われたのは王太子妃であったが……)「傷物令嬢」になってしまう……あわや後妻に行かされるのを救ってくれたのが、辺境伯のセシリオであった……サリーシャは幼すぎて覚えてなかったが、二人は出会っていた……
セシリオは武人らしい言葉足らずの人で、サリーシャは色々誤解してしまう。そこにまた辺境伯を手に入れたい人物の画策で、サリーシャに生命の危機が襲うのであるが……
ちょっとモヤモヤするのは王太子がサリーシャに「友人だから」と言うところ……そんな言葉でサリーシャの優しさと犠牲につけ込んでいるような気がする。公式には何も説明されないので、逆にサリーシャの悪評は広がるばかり…である。王太子は優しげに見えるが、やはり王族の残酷さも持ち合わせているのだろう。「友人だから」は釘を刺していたのだろうか?
イライラするのはヒロインのサリーシャが「メソメソ・ウジウジタイプ」だから……元々「王太子妃にする為に、平民から養女に迎えられた」出自であるからとは思うが、選ばれなかった事で自信も無くなり養父である伯爵からも冷たくあしらわれたから……と同情の余地はあるが、度が過ぎる。そのあとまた事件に巻き込まれたので、セシリオとの絆は深まる。そしてセシリオの側で一生生きて行きたいと願う。セシリオは誠実な男であるから二人は辺境の地で幸せになれると思うが、ある意味では王都の社交界では生きて行けないとも言える。最後まで繰り返し読んだが、最後までモヤモヤ・イライラしてしまった。損したとは思わないが、気持ちよく終われなかったのが残念な作品だと思った。
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辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する(コミック)