3.0
子育ての時間と密度が根底にあるのかな
夫朝一の定年退職後に妻夕子の妊娠が分かり、70歳で初出産をする妻。
何故70歳の妊娠出産なのかという設定。
この年齢まで妊娠出産を望んでできなかった時、やっと子供を授かることが出来たら…。年齢を考えたら産まないという選択肢もあるけど、「考える」よりも「産みたい」という本能のような感情なような夕子の先立つ想いや覚悟があり、その覚悟に朝一は引きずられて、時間の経過とともに同じように覚悟を決めたのだなと分かります。
定年退職後ということで両親揃って育児に携わることが自由に出来るので、そこが一般家庭とは多く違い、子供と濃密でゆったりした時間をとることが出来て関わりも深まるのだなと思いました。
その濃密な時間があることに対して、寿命というタイムリミットが近く、病気になるリスクも高くなるという事実。
言い方は良くないかもしれませんが、両親が高齢者であるが故の太く短い期間の子育てというものは、一般的な両親がする細く長い期間の子育てと違うということ。
それをこの作品では言いたいのかなと思いながら読んでいます。
無料分だけ読みましたが、少し胸が苦しくなる良い作品だと思いました。
絵が好みではないので星一つ減らしています。
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セブンティウイザン