5.0
落とし穴
ハルタが恐れた、落とし穴とは何だろう?
15歳のカンナは、まだ恋に芽生えてなかったと思う
ハルタはカンナにとっても 一番近く、特別ではあっただろう
けど、ハルタの想う気持ちとはとても同等ではなくて、そのことはハルタも充分分かっていた。
ハルタがカンナに気持ちを伝えることで、カンナの中で、愛情とは違う 情 を抱き、ハルタを触れてはならない、腫れ物のように認識してしまうことが、彼の恐れた落とし穴だったのかなと思う。
皮肉にもその落とし穴は、彼の死によって、さらに深く、暗く、残酷なものとなってしまった。
自分が落ちた穴なら、這い上がれる
でも、自分の力の及ばないところで、他人の心の中で穴に蓋をされたら、這い上がれない だから怖いんだ、そのきもちは、その時の清正くんには、わかるはずもないよね、、
読み終わってもなお、いつまでも心に残って
何度でも読みたい作品です。
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