5.0
不憫なヒロインにもらい泣き
薄幸の少女が身分の高い男性に愛されて幸せになるシンデレラ的なお話が好きなんだけど、これも正にその王道パターン。
庭師と駆け落ちしてしまった妹の代わりに、由緒正しきイヴェール伯爵家のレイモンドに嫁ぐことになったレベッカ。
レベッカは幼い時に火事に遭い身体に消えない火傷の痕を負ってしまった為、両親から疎まれて屋根裏部屋でひっそりと暮らしていた。
それにしてもまあこの両親の性格の悪いこと。
レベッカに傷ものだの出来損ないだの恥さらしだの暴言吐きまくり。
妹娘のロクサリーヌをも良いところに嫁がせる商品としか見ておらず、全く愛情を傾けることをしない。
一方レイモンドも最初は結構ひどい。
借金の返済代わりの花嫁に渋々納得はしていたものの、美しいロクサリーヌではなく「幽霊令嬢」と悪評のレベッカが嫁いで来ることが不満で一年で離婚する気満々だったり。
でも初対面のレベッカの清純な美少女ぶりにちょっと見惚れちゃったりして(こういうの好き)。
本物の夫婦になるつもりはなくて初日以降レベッカのことを気にもせず放置、使用人達にも最低限の接触しか命じなかった為、レベッカが餓死寸前状態になるまで気が付かないという体たらく。
その後は世間の評判とは違いすぎるレベッカが気になり、世話を焼く様になる。
レベッカはそれまでの生活のせいで受け身で何事も自分から欲することは許されないと思っている。
卑屈と言うよりそういう考え方しか出来ないのが不憫すぎる。
それでも勇気を出してレイモンドに身体の秘密を打ち明け、だんだんと2人の距離が縮まっていく光景はほのぼのしてしまう。
ロクサリーヌ絡みで実家のブロイエ伯爵家と悶着が起こるものの、非道な両親は邸を追い出され、結果レベッカもロクサリーヌも幸せを掴んでスッキリ。
レベッカが笑える様になったのは良かったけど、まだまだ恋愛感情に疎いので、レイモンドはズバッと言ってあげなくちゃ。
本当の夫婦になった甘々の2人の姿も見てみたい。
- 1
身代わりに差し出された幽霊令嬢は伯爵様の最愛花嫁になりました