5.0
面白かったー!
ヒロインは侯爵家の長女ミラベル。
この世界の貴族には魔力があり、その魔力を国家の安定の為に提供する義務を負っています。
でもミラベルは6歳の時に「無能」と判断され、それ以降使用人以下の扱いを受けて育ちます。
まずこの侯爵家の面々が最悪。
父親はミラベルに日常茶飯事に暴力を振るい、妹は精神面からじわじわといたぶる。使用人達も彼女を軽んじて意地悪をする。まあロクなのがいません。
ある日突然厄介払いの様に結婚を決められ、相手の家に有無を言わせず追いやられます。
婚約者となる男爵家のイリアスもやっぱりお約束通り?最初は単に都合の良い相手としてミラベルを選んだだけで無関心。
仕事一辺倒の生活を変えはしませんでしたが、イリアスの身体を心配したミラベルのお夜食をきっかけにだんだんと心境の変化が起こります。
イリアスは魔術師としては有能なのに、なかなか自分の恋心に気が付かない朴念仁。
読んでる側から「それは恋だよー!早く気付けよ!」と叱咤したくなりました。
慣れてないから誤解でミラベルに冷たい態度を取ったりしちゃうし。
でもミラベルが過労で倒れた後は反省して口でも態度でも愛を示し出します。そして結構ヤキモチ焼きだったり。
ミラベルは生家では扱いのせいで卑屈にならざるを得ませんでしたが、実際は綺麗だし頭の良い頑張り屋さん。
仕事に情熱を傾けるイリアスを尊敬し、優しい使用人達に囲まれて穏やかで幸せな暮らしを送れることに感謝しつつ、だんだんと愛情を感じ始めます。
「無能」とされていたミラベルですが、実は国家の存亡に関わる程の計り知れない能力を宿していたのです。
聖女認定され、イリアスと力を合わせて国家を存続の危機から救う壮大なハッピーエンドです。
めっちゃ腹の立つ父親と妹もその身に相応しく断罪されてスッキリ。
本編後のお話ではミラベルにベタ惚れのイリアスの姿に生温かい笑いが溢れてしまいます。
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