rokaさんの投稿一覧

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評価1 5% 35
71 - 80件目/全150件
  1. 評価:4.000 4.0

    両親を殺されて以来、雨の日限定で、人の背後に「殺_人の履歴」が見える能力を身につけてしまった主人公の少年と、殺_人者の肉を食べて生きている謎の少女の、変則バディー漫画。

    展開はスピーディーでスリリング、没入感はなかなか高い。

    面白いのは、二人の価値観や利害が、必ずしも一致してはいないところ。
    少年には、両親を殺した犯人に復讐するという大義があり、ノーマルな倫理観も持ち合わせているが、少女の方は人でなしもいいところで(多分、人じゃないんだろうけど)、例えば、たくさん人を殺した人間の肉のほうが美味しいからという理由で、平気で目の前の殺_人を看過しようとする。

    この二人の関係性がどう変化していくのか、弱々しい主人公がどう成長していくのかも、見どころだろう。

    • 2
  2. 評価:4.000 4.0

    毒をもって毒を制す

    学校にはびこる様々な問題を、一見普通の教頭にしか見えない主人公が、ギリギリの(というか完全にアウトの)手段で解決していくストーリー。

    基本的にはシリアスな路線だが、教頭のキャラのギャップが強烈に過ぎ、見方によってはギャグ、という結構きわどいところを攻めていて、なかなか面白い。
    だいたい、「地獄の教頭」って。
    「地獄の門」とか「地獄の黙示録」とかならあれだけど、「地獄の教頭」って。
    それはもう、「地獄先生ぬ~べ~」のノリに近いだろう。

    一説によると、学校の教師が一番やりたくないポジションが「教頭」らしい。
    それくらい、微妙で、わりに合わない役職なのだろう。
    そんなポジションを敢えて主役にもってきたところにも、本作の面白味があると思う。

    • 13
  3. 評価:4.000 4.0

    ギリギリの勝負

    小泉ジュンイチローや麻生タローが、国家の命運を左右するレベルの諸々を賭けて、ブッシュやプーチンや北の金将軍らと麻雀で対決する、という、何かもう色々な意味でギリギリの漫画。

    一応、麻雀を扱ってはいるものの、盲牌の際に指の力で表面を削り取って「白」に変える、という次元の技が炸裂する、麻雀漫画の皮をかぶったギャグ漫画なので、麻雀を知らない読者でも、ほとんど問題ないかと思う。

    各方面から苦情や圧力がなかったのか、ただただそれが気にかかる、実に下らなくて、楽しい漫画であった。

    • 3
  4. 評価:4.000 4.0

    異様な絵

    いわゆる「世にも奇妙な物語」的な作品。

    基本的に救いのないストーリーが特徴だが、何といっても凄いのは、その異様な絵である。
    漫☆画太郎から技術と滑稽さを取り払ったような絵だ。
    こう書くと「それじゃ何も残らないじゃん」と思われるかもしれないが。

    ホラー漫画以外では成立しない類の絵であり、こういう作品を読むと、特にホラー漫画では、上手い・下手以上に、「合う・合わない」が大事であることがよくわかる。

    • 2
  5. 評価:4.000 4.0

    いるはずのない彼ら

    この作者の「幽霊塔」という漫画は、それはもう、夢中で読んだのだが、本作にはどうにも入り込めなかった。

    安定してクオリティは高いし、サイコキラーとの心理戦は実にスリリングで、漫画としての見せ方も抜群に上手いと思う。

    しかし、申し訳ないが、根本の設定に、どうしても冷めてしまった自分がいる。
    「連続殺_人犯から情報を聞き出すために獄中結婚する児童相談所の職員」。
    そんな奴、いるわけねえのである。

    そしてそのサイコキラーは、女性だ。
    ちなみに「殺_人ピエロ」と呼ばれた連続殺_人犯は、アメリカに実在した。
    ジョン・ウェイン・ゲイシーは、普段はパーティーなんかでピエロの格好をして子どもを楽しませていた地元の名士だったが、三十人以上の少年たちを殺めたサイコ野郎だった。
    もちろん、男性である。
    ピエロに扮して次々と男を葬る女性のサイコキラー。
    これまた、いるわけねえのである。

    これがファンタジーの世界ならいい。
    不気味で可愛らしい女性のサイコキラーがいても、魅力的で破天荒な主人公がそのサイコキラーと結婚しても、構わない。
    しかし、本作はあくまで「現実枠」内の物語である。
    そういう種類の漫画において、「いるわけねえ」主人公(しかも二人)というのは、私にとっては致命的であり、そこにどっぷり浸かって夢中になれるほど、私に読者としてのキャパはなかった。

    • 13
  6. 評価:4.000 4.0

    奇妙な中毒性

    昭和の映画や漫画のパロディの寄せ集めで成り立っているような作品。
    だいたい絵柄からして、水木しげるのパロディ、というかハイレベルな「模写」なので、もう、パロディというか、何なのだ、という作品。

    こんな漫画を今どき描いても、元ネタに「わかる!」となる読者は少なそうだし、そういう読者層がターゲットとも思えない。
    しかし、「細かすぎて伝わらないモノマネ」的というか、「別にわかってもらえなくてもいい」というスタンスで描いている気がする。
    そういう意味では、結構とがった漫画である。

    正直、明確に「面白い!」と言える作品ではなかった。
    だが、妙な中毒性があるのも事実で、「大して面白いとも思えないのに気がついたら全て読んでしまった」、そういう意味では、節分の豆のような漫画である。

    私は水木しげるの信奉者なので、この絵柄が現代に存在しているだけで嬉しくなってしまう。
    そんなわけで、私の評価は甘いかもしれない。

    • 4
  7. 評価:4.000 4.0

    筋の通ったギャグ漫画

    ほとんど出オチのような設定勝負の漫画であり、「やったもん勝ち」的なところはあるけれど、その設定を実に巧みに活かしきっている。
    このあたりはもう、センスと言う他にない。

    滅茶苦茶な設定でありながら、そこから紡がれる話は決して滅茶苦茶ではなく、まるで極道そのもののように、一本筋が通っている。
    そういう意味では、パリッとした、実に清々しいギャグ漫画である。

    • 4
  8. 評価:4.000 4.0

    文学へのリスペクト

    江戸川乱歩や夢野久作はともかく、太宰治や谷崎潤一郎がミステリを書いていたのを私は知らなかったので、そういう意味では新鮮に読めた。
    「あなたの知らない文豪の一面」を紹介する、というコンセプトは、きちんと成立していたと思う。

    漫画の表現も、原作の空気を壊さない中でコンパクトにまとまっていて、好感を持った。

    そして、この作者は、原作の文芸作品に対して、また、作家に対して、確かな愛着とリスペクトを持っているとも感じた。
    それがなぜ、「文豪ストレイドッグス」で「ああいう方向」に行ってしまったのか、それを考えると、ちょっと残念である。

    • 3
  9. 評価:4.000 4.0

    優しすぎる寓話

    絵柄はヒトを選ぶだろうし、わたしは決して好みではないのだけれど、童話のような物語の雰囲気と世界観にはマッチしている。
    上手い・下手はともかく、絵柄が漫画に「合う・合わない」はとても大切なことだと思うので、そういう意味では、いいと思った。

    絵も、筋立ても、シンプルだけれど、描かれているものはなかなか奥深い。
    それは、ちょっと雑に言うと、善人も悪人も、懸命に生きているんだ、ということなのではないかと思った。

    本作は、寓話的な印象の漫画だ。
    しかし、実のところ、大体の寓話よりも遥かに優しい。
    昔話だって何だって、多くの場合、問答無用の「悪者」が出てくる。
    それは、略奪を繰り返す鬼ヶ島の鬼だったり、カニを騙した猿だったり、雀の舌を切る老婆だったり、豚を狙う狼だったり、シンデレラを苛む継母だったりするのだが、彼らはあくまで「悪者」であって、物語の中で、ある意味都合よく、やっつけられたり、不幸になったりする。
    私たちは、それを「当然」として読む。
    でも、本当にそうだろうか、と。
    鬼には鬼の、狼には狼の人生があって、彼らもまた、必死に生きようとしているのではないか、と。
    そんな、漫画だと思った。

    それは、作品として甘すぎる、という見方もあるだろうし、私みたいに汚れた人間には、やはり、「綺麗すぎる」と映った。
    しかし、誰一人として単純な「悪者」にはしないぞ、ただ悪いだけの悪者なんか、この世にいやしないんだ、というこの漫画の志みたいなものは、とても美しいと思った。

    • 288
  10. 評価:4.000 4.0

    二度の打ち切り

    少年ジャンプ史上、二度の打ち切り、というか、そもそも一度打ち切られて再開した漫画というのは、本作だけらしい。

    一人一人のキャラクターがよく立っていて、学生時代、大好きだった。
    「動」のガウェインと「静」のランスロット、激情の東堂院と執念の黒峰のカップル、謎の王煉、カッコよすぎる無敵のトリスタンなど、今でも鮮明に思い出す。

    後半はもう、小学生がドライバーで450ヤードかっ飛ばすとか、中学生が70ヤードをワンパットとか、120ヤード以内ならほぼ確実にチップインとか、バトル漫画のインフレに陥ってしまったが、「本格ゴルフ漫画」ではなく「ゴルフバトル漫画」としては、抜群に面白かった。

    多くの登場人物たちの背景にドラマがあり、作者が、一人一人のキャラクターに愛情を持って描いているのが伝わる漫画だった。
    彼らのバックグラウンドの描き方は、切なくて、でも重すぎない、少年漫画としては理想的なバランスだったと思う。
    特に、トリスタンの過去の物語は出色であり、大会後、ガウェインの飛行機を見送るトリスタンの表情には、心の底から感動した。

    星をひとつ引いたのは、やはり、二度の打ち切り、特に二度目の打ち切りによって放り出された多数の「描かれなかった」部分が、あまりに残念だったためである。

    • 6

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