rokaさんの投稿一覧

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評価1 5% 35
21 - 30件目/全85件
  1. 評価:2.000 2.0

    普通にやってんじゃねえよ

    10万円で3分間だけ死者を生き返らせる、という設定のオムニバス。

    設定自体は悪くないと思うが、特別な感動はなかった。
    何か薄っぺらいな、とか、もっとドラマチックに出来たんじゃないかな、とかいう引っかかりは、往々にして残った。

    あとは、個人的な好みの問題かもしれないが、作品のテーマからすると、メインキャラクター2人の「健全さ」がどうにも引っかかった。
    片方が女子高生という設定もわけがわからないし、彼女が明るく、うるさく、鬱陶しい。
    仮に死者を3分だけ生き返らせるなんて職業があるとしたら、それに携わる人間はどういったってある種の影や業を引き受けざるを得ないだろうが、そんなもの、欠片も感じさせない。
    禁忌、邪教の類だろ。
    もうちょっと何か背負えよ、普通にやってんじゃねえよ、と思った。

    • 4
  2. 評価:2.000 2.0

    対象年齢

    私の勝手な先入観で失敗しているので申し訳ないのだが、思っていたよりも作品の対象年齢がだいぶ低かった。
    小学校のときに読んだらまあまあ入り込めたかもしれないが、これ、大人が読むにはちょっときつい。

    絵柄はそれほど子ども向けという感じではないが、それ以外の全てが、圧倒的に幼い。
    大人が読んで子ども時代のノスタルジーを感じる、という種類の作品ではなく、嫌な言い方をすると、大人になってこんなもの、恥ずかしくて読んでいられない。

    本当に素晴らしい作品は、仮に子ども向けであっても、大人にも何かを感じさせるものだ。
    子ども向けの作品と、子ども騙しの作品は、違う。
    私はそう思うから、どうしてもこういう作品を評価できない。

    • 2
  3. 評価:2.000 2.0

    血の通わない家族たち

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    家庭で妻と娘から虐げられている夫の話。
    夫はその理由がわからず、悩みながら生きている。

    まあ、好きに悩んでくれたらいいけど、いくら何でも都合がよすぎる展開に、正直うんざりした。

    駅のホームから落ちかけた主人公をナイスバディーの美女が助けてくれて、待ち合い室で話を聞いてくれて、「それってDVじゃないですか」などと差し出がましいことを言い、翌日にはSNSの投稿から主人公の居場所を突き止めて、自分を傷つけるような家族は捨てちゃったらどうですか、などとほざく。
    何なんだお前は。

    主人公の娘は不登校だが、久しぶりに登校したら転校生のイケメン(ちなみにこいつは主人公を助けたナイスバディーの息子)が突然、友達になろう、と手を差しのべる。
    その日の夜には、深夜のファミレスで話し合っている両親の会話を盗み聞きしたい娘のために、繰り返し、深夜のファミレスまでノコノコ来てくれる。
    何なんだお前ら親子の即効性の高いバイタリティーは。

    登場人物たちの苦しみも悲しみも怒りも、全てがご都合主義の作り物で、まるで血が通っていない。
    何の共感も同情も感情移入も出来ない。
    なぜならここに描かれているのは、人間の感情ではないからだ。

    • 60
  4. 評価:2.000 2.0

    複数の語り手

    単発バラ売り怪談漫画その2。

    いわゆる「ダブル語り手」タイプの怪談。
    (いわゆる、とか私が勝手に言っているだけだが。)

    語り手その1がお遍路の途中である男で、彼が休憩所で出会った女性が語り手その2。
    実際の恐怖体験は語り手その2の女性から語られる。

    こういうタイプの怪談話は、実際に話すときは、話者が複数の語り手を上手く「語り分ける」ことで、一定の効果を生むわけであって、漫画でそれを再現するなら「描き分ける」ことが必要になるのだが、成功しているとは言いがたい。
    そもそも、それを狙ってやっていない。

    • 2
  5. 評価:2.000 2.0

    そりゃねえぜ

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    呪いの指輪を巡るホラー。

    恐怖描写にはなかなか気合が入っていて、その点はよかった。

    が、オチが酷すぎる。
    簡単に言うと、「復讐かと思ったら、無差別だったのだ!」である。
    そりゃねえだろう。
    逆だろう。
    ミステリで考えてみてほしい。
    「無差別に発生していたと思われていた事件に、実はこんな繋がりが!」
    これならわかりますよね。
    ところが本作、そうじゃないんすよ。
    「何かしらの繋がりがあると思われていた事件は、実は無差別だった!」
    そんなタコな。

    誤解しないでほしいのだが、無差別の呪い自体を否定しているわけではない。
    むしろ、個人的にはホラーって無差別の方がしっくりくる。
    しかし、いかにも「真相」がありそうなミステリ的アプローチをしておいて、「無差別だった」をサプライズのように提示するのは、あんまりではなかろうか。

    • 8
  6. 評価:2.000 2.0

    お前は私のキャパを超えている

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    マッチングアプリで出会った女の子に即日実家に誘われ、ホイホイ着いていく。
    その実家の村への道すがら、「この先命の保証なし」という立て札があるのに「あんな注意書き本当に存在するんだな」で流す。
    村の入り口がまるで刑務所だと感じながらもスイスイ入ってゆく。
    「景観保存地区」だからと、バッグにスマホに鍵に時計、全て取り上げられて平然としている。
    マッチング彼女に胸を押しつけられただけで「まあいっか」とリセットされる。
    この全てが、冒頭の第一話で提示される主人公の姿である。

    駄目だ。
    お前はいくら何でも私のキャパを超えている。

    まあ、一話でレビューを書くのも失礼だから、それなりに読み進めてはみたけれど、共感できるとかできないとかそういうレベルではない主人公の馬鹿さ加減をリカバリーできる要素は、特になかった。

    • 42
  7. 評価:2.000 2.0

    復讐される側の主人公

    昔、「ラストサマー」というホラー映画があったが、それに近い。
    主人公たちが過去に犯した罪によって、復讐される、という話。

    本作のように、「復讐される側」が主人公の作品は、「過去にやったことは悪いが、同情の余地があり、何とか助かってほしいと願ってしまう」という読者の微妙な感情を引っ張り出せないと、成功しない。
    これは結構難しくて、過去の罪を上手く設定するとか、キャラクターの丁寧な作り込みとか、きちんとしたバックグラウンドがないと成立しない。
    本作はそのいずれも物足りなく、入り込めなかった。

    復讐が奇妙な漫画アプリによって予告される、という点は新しいには新しかったが、だからどうということもなく、「何でそんな回りくどいことを」という感想以外は湧かなかった。

    • 3
  8. 評価:2.000 2.0

    許されない改変

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    「タイトルがネタバレじゃん」と思ったのだが、原作のルポがあると知り、それならまあ、その点は仕方ないか、と思った。

    冒頭は「保護者サイド」の視点から描かれ、その後、同じエピソードが「教師サイド」の視点から描かれる。
    両者は全く別の内容であって、このあたりは、漫画ならではの演出で、なかなか面白いと感じた。

    実際の事件について、ちょっと気になって調べてみたが、とんでもない話で、親の異常性、学校および教育委員会のことなかれ主義とその脆弱性、浅薄なマスコミの無責任など、様々な問題を孕んだ事件であった。
    この事件を教師サイドに立って取材したルポの存在自体は貴重であるし、その漫画化を否定するつもりもない。

    しかし、原作がフィクションではなくルポルタージュである以上、原作の改変は絶対にまずい。

    まず、主人公の教師の年齢が全く違う。
    現実では46歳とのことだが、漫画ではかなり若く描写されている。
    おそらく漫画の主人公としての見栄えを考慮してなのだろうが、それはやっちゃいけない。
    フィクションなら何でもありとは言わないが、どういったってノンフィクションは、事実に対して一定の責任を負わざるを得ない。

    この改変があった時点で、私はこの漫画の全てを信用できなくなった。
    仮に原作のルポが真摯な取材に基づいて書かれているのだとしても、この漫画がそれを忠実に再現しているのかどうかは、甚だ疑わしい。

    • 6
  9. 評価:2.000 2.0

    噛み合わないテンション

    宝塚歌劇団みたいな女性オンリーの歌劇学校に、男が潜んでいるという噂があるのだが…という話。

    何というか、作中の登場人物たちのテンションと、読むこちら側のテンションが、全く嚙み合わない。
    もっと言うと、登場人物たちのテンションについていけない。
    現実世界でときどき、「お前何でそんなにテンション高いの?」ということがあるが、読んでいる最中、あれが終始続くと思っていただければわかりやすいかと思う。

    この原因はおそらく、圧倒的な説明不足にある。
    キャラクターたちが泣いたり喚いたりすることについて、作者の側にはおそらくそれなりの必然性というものがあるのだろうが、それがあまりに伝わらない、というか描いていない。

    何か、みんなが盛り上がって騒いでいるときに一人で冷めていると、協調性がない奴みたいに見られるが、私は終始そういう奴の立場で作品を眺めるしかなかった。
    多分、私が悪いんじゃないと思うんだけど。

    • 3
  10. 評価:2.000 2.0

    怖いんじゃない、痛いんだ

    私は怖い話は好きだが、痛い話は嫌いである。
    ということで、読んだ私が間違っていた。
    その点は、すみませんでした。

    別に本作はホラー漫画ではないし、「いや、別に怖がらせることなんて狙ってねーし」と開き直られたら、私は何の反論も出来ない。
    だったらまあ、「怖い」というのは、「読者にスリルを与える」というふうに言い換えてもらってもいい。

    申し訳ないけれど、漫画でも映画でも、ホラーであれサスペンスであれ、「痛い」の方向に振り切った作品というのは、はっきり言って志が低いと思う。
    こういう言い方は嫌いなのだが、低俗だ。
    なぜなら、読者に恐怖を与えるより、「痛い」と感じさせる方が、百倍簡単だからである。

    ちょっと想像してみればわかるが、あなたが今から大の大人を怖がらせる話をして下さい、という課題を与えられたとしよう。
    結構ハードル高くないですか?
    しかし、これが「痛がらせる話」となると、途端に敷居が低くなる。
    それこそ爪がはがれた話でもすれば、事足りるだろう。

    感動の押し売りみたいな作品のことを指す「感動ポルノ」なんて言葉があるが、この種の作品を今後私は「恐怖ポルノ」と呼ぼうと思う。

    • 3

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