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作品レビュー
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11 - 20件目/全92件

  1. 評価:3.000 3.0

    清く正しくグロテスク

    面白かった。
    いい意味で、頭を空っぽにして楽しめた。
    さながら、サイコ野郎の見本市。

    昨今、「サイコパス」という言葉を誤用した上にそれを売りにする漫画が多いことに辟易していたが、そういう鬱陶しい漫画とは、全く違った。

    なぜ、昨今の「サイコパスもどき」漫画がウザいのか。
    それは、現実のサイコパスについての知識を持たないままに、あくまで「現実枠」の中で、「こんな異常者、現実にいるかもしれないよね、怖いですよね」と下手なアピールをしてくるからだ。
    それをやりたいなら、ちゃんと勉強しなさい。

    本作は、違う。
    数々の異常者たちを、ハナから「現実枠」の中で描こうとしていない。
    つまり、ある種のリアリティーを始めから捨てた上で、あくまでフィクションとして「現実にいるわけねえ奴ら」をハイテンションで描ききることに集中している。
    実に適切にグロテスクなエンターテイメントであり、好感度は高かった。

    しかし、残念ながら、露骨な打ち切りである。
    漫画って大変だなあ、結構面白かったのになあ。
    終盤、おそらく打ち切りが決まったあたりでは、素人目にもわかるくらい作品のテンションが落ちていて、そのぶん、評価は厳しめになってしまった。

    あと、別にいいけど、絵柄が「ジャガーン」の人に似てない?

    • 3
  2. 評価:3.000 3.0

    単調からの転調

    自分が望む人間のクローンを作ってもらえるが、クローンの存在は絶対に秘密、クローンの存在を他の人間に知られたらアウト(記憶を消されて生まれたときの知能に戻される)、という話。

    前半はオムニバス的な作りで、設定自体は悪くないと思ったが、話としては掘り下げや広がりがイマイチで、ちょっと単調な印象は持った。

    そのまま低調なオムニバスが続くのかと思いきや、途中から方向性が切り替わり、主人公(というかそれまでは明確な主人公というポジションでもなかったが)がクローン施設を脱出する展開に。
    これはこれでまあ、悪くはなかった。

    前半のオムニバス調が当初からの前フリだったのか、それとも編集者から「これじゃまずい」となって方向転換したのか、私にはわからなかった。
    いずれにしても、いささか行き当たりばったりの感があり、悪くはないけど深く入り込めない、という典型的な作品だった。

    • 2
  3. 評価:3.000 3.0

    ナッシング・トゥ・セイ

    タイトルが作品のほぼ全てであり、「出オチ」のような漫画である。

    いや、面白かった。
    面白かったけど、正直、「これだけ」で引っ張られるのはちょっとしんどかった。
    ごめん、何か、何も言うことが思いつかん。

    • 2
  4. 評価:3.000 3.0

    ここまでくると

    「見当たり捜査」という地味な警察の捜査を題材にしているだけに、捜査の専門知識の丹念なリサーチに基づく本格派の刑事漫画なのかと思っていた。

    全然違った。

    ノリとしては完全に異能バトル漫画のそれで、キャラクターは敵も味方もあまりにぶっ飛んでいるというかトチ狂っているというか、これを仮に刑事モノの漫画として読むならば、今どき子どもでも笑ってしまうと思う。

    ただ、正直言って、ちょっと面白かった。
    ここまで滅茶苦茶に「崩される」と、これはこれでアリかもしれん、という気になったのだ。
    何事も中途半端は叩かれるね。
    ここまでいっちゃうと、叩く気も失せる。
    それはそれで、作品のひとつの方向性として、あっていいのではないか、とは思った。

    しかしまあ、案の定、打ち切りである。
    残念ながら、それは序盤からわかっていた。
    だって、序盤の「これからどんだけバトルがあるんだ」という敵の数と、完結している「話の数」が、どう考えても合わない。
    普通にいくと、こんなに少ないボリュームで完結するはずがない。
    ということは…というわけである。

    途中から私は、「どの時点で打ち切りが決まったのだろう」という暗いことを考えながら、本作を読み進めた。
    その暗さは、本作のテンションとはおよそつり合わず、しかしまあ、打ち切りが確定していても作品の中ではテンションを継続しなければならない、漫画家ってつらいなあ、と。
    合掌。

    • 3
  5. 評価:2.000 2.0

    ループの意義は

    ループもの、というよりは、よくある不倫漫画にループの設定を無理に持ち込んだ、という印象が強かった。
    穿った見方をすれば、「これじゃありきたりだから、ループものでいってみますか?」と編集者から提案でもあったんじゃないか、と思うような作品である。

    そんなとってつけたようなループ設定だから、当然、粗も多く、オーソドックスな「死ぬとループする」という設定に加えて、「死を回避できてもループする」という形なのだが、これがさっぱり機能していない。
    死んでもループ、寝て起きてもループ。
    何か、緊張感がない。
    何普通に寝てんだよ。

    他作品の推薦でアレだが、私が読んだ最高のループものは「サマータイムレンダ」である。
    ループものの傑作をお探しの方は、是非。

    • 13
  6. 評価:1.000 1.0

    焼きプリン

    先に言っておくが、私は本作にムカついているので現在いささか機嫌が悪く、かなり性格の悪いことを書く。

    登場人物をわざわざプリンだとかババロアだとかで表現しているのがアイデンティティーなわけでしょう。
    離婚というシリアスな物事をゆるい絵で描いてみたよ、と言いたいわけでしょう。
    だったらコメディとして機能していなければしょうがないと思うのだが、はっきり言って絶望的につまらない。

    こういう系の漫画に対して私が感じることは大体いつも同じだ。
    大人はもう少し自分の人生に責任を持て。
    夫がクズのような人間だった。
    はいはい、気の毒ですよ。
    しかしだ、何かを自分の意思で選んで失敗した責任を、全部誰かのせいにして生きてゆけるほど、私たちの人生はイージーモードではない。

    例えば、ギャンブルに大金をつぎ込むことを選んで失敗した。
    それって、そこまで同情されるか?
    「自業自得だ」ってならないか?
    結婚なんて、自分の人生を賭けた一種のギャンブルだろう。
    誰に強いられたわけでもない、義務でも何でもない、ただ、一人の相手に、自分の人生というチップを賭けて、そして、負けたんだろ。
    それが相手だけのせいなのか。
    競馬で負けて、責められるべきは馬なのか。
    私は何も、全てお前の責任だ、と言いたいわけではない。
    人生には不運もある。
    だが、運・不運に左右される物事を引き受ける覚悟がなければ結婚なんてすべきではないし、それに敗れたなら、百歩譲って、責任は二人のものであるべきだ。
    一方だけを悪者にするのはフェアじゃない。
    相手がどんなに酷い人間であってもだ。
    繰り返す、そのクズに賭けたのはお前だぞ。

    離婚直前、イケメンの医者になっていた初恋の人、じゃなかった、ケーキに出会って…という終盤の展開は冗談抜きで吐き気がした。
    ご都合主義だから、ではない。
    可哀そうな私にはこれくらいいいことあってもいいわよね、という腐った被害者意識が透けて見えるからだ。
    いい加減にしろ。
    お前なんか焼きプリンにしてやる。

    • 64
  7. 評価:4.000 4.0

    ハードボイルドとエンターテイメント

    「静かに暮らしたい」というタイトルを見て、ジョジョファンであれば真っ先に吉良吉影を思い浮かべるはずなのだが、私も例外ではなく、それで読み始めた。

    吉良吉影とは全く違うスズキさんの話だったが、面白かった。
    テンポよく、一気に読ませるのにちょうどいい尺の設定にも好感を持った。

    女性の殺し屋、それも、色仕掛けではなく、正統派の(?)殺し屋、という時点でリアリティーは著しく欠落の方向へ傾くが、そのハンデを覆すくらい、登場人物たちのキャラがパリッと立っていて、ある程度、一貫性がある。
    「ある程度」と書いたのは、冷徹な殺し屋であるはずのスズキさんが少年に肩入れする根拠みたいなものが、いささか薄弱に感じられたからである。
    個人的には、スズキさんにはもう少しドライでいてほしかった。
    ただまあ、冷血に徹しているつもりでも、不意に情が湧いてしまうのが、人間というものなのかもしれない。

    一番好きだったのは、スズキさんの過去のエピソードである。
    幼い頃の自分を助けてくれた殺し屋を殺し、あくまで血の通わない殺し屋として生きることを選んだスズキさんの姿には、胸をしめつけられた。
    だからこそ、少年に対する執着にもうひとつ、何か欲しかった、という思いは残るものの、トータルとしては、甘みと苦みを適度に抱き合わせた、ハードボイルドとエンターテイメントを同居させた、なかなかの良作だと思う。

    • 4
  8. 評価:4.000 4.0

    気合いの入ったバンパイア

    まず、吸血描写が実におぞましく、美しい。
    もちろん、画力の高さもあるが、吸血鬼の漫画である以上、絶対にオリジナリティーのあるハイクオリティーな吸血描写を描いてやるんだ、という気合いを感じた。
    その心意気やよし。

    最初は、吸血が性_交のメタファーになっているのかと思ったが、それにこだわった話でもなく、少年バトル漫画のような趣もあり、ただ、そのいずれもいささか中途半端な印象は受けた。

    しかし、作品の骨子は多少ブレながらも、「永遠に生きる存在」としての吸血鬼の悲哀を描く、という点は一貫していた。

    ジャンルとして「吸血鬼の漫画」ということで考えれば、それに求められるものは十分に満たした作品だったのではないかと思う。

    • 7
  9. 評価:2.000 2.0

    何なの?

    曜日ごとに人格が入れ替わる、という男の話、らしい。

    「らしい」と妙な言い方をしたのは、私にはどう考えてもそういう話には思えなかったからである。

    読んでもらえば伝わると思うのだが、「人格」が入れ替わる、という漫画の表現として成立していない。
    肉体を含めてただ別の人間になっているようにしか見えない。

    私の頭には「は?人格?」と絶えず不快なクエスチョンマークだけが浮かび続け、マジで何が何だかわからなかった。
    訳がわからないということは、とても恐ろしい。

    • 4
  10. 評価:3.000 3.0

    残念な着地点

    都市伝説を調査する部署が警察にある、しかも主人公は不死身の刑事、という無茶な設定だが、何だかんだで結構読んでしまった。

    話の基本線は、「都市伝説の正体が実は人間」というもので、この着想自体は面白いというか、個人的に好みで、ワクワクした。
    ときには「現実的な文脈で説明がついたけれど、ひょっとしたら…」とオカルトを匂わせるような結末もあり、私はこのパターンが盲目的に好きなので、それもよかった。

    しかしまあ、肝心の「正体」の部分があまりパリッとせず、感嘆するような発想や意外な広がりや掘り下げには欠け、無理矢理な印象もちょくちょく受ける。
    スタート地点はよいものの、着地点はイマイチ、という感が否めなかった。

    • 6
ネタバレあり:全ての評価 11 - 20件目/全92件

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