rokaさんの投稿一覧

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11 - 20件目/全85件
  1. 評価:2.000 2.0

    受け入れがたい浅はかさ

    娘を殺した犯人に残忍な復讐をして実刑を受けた主人公が、出所後、世間から虐げられ、殺_人ビジネスみたいなことをやっている人間に拾われる、という話。

    申し訳ないが、私は主人公がどうしても嫌いで、作品に乗っかれなかった。
    別に主人公を好きにさせることだけが作品の能ではないが、この手の漫画は、主人公に肩入れするか、共感するか、少なくとも同情するか、というモードに入れないとどうにもならないと思う。
    私には無理だった。

    先に断っておくが、私は多分、倫理観が一般の基準より低い。
    だから私は、主人公の復讐を否定しているのではない。
    残忍な方法も全く否定しない。
    好きにやったらいいと思う。

    私が決定的に受け入れられなかったのは、出所した後に職場を次々にクビになるという経験をして、「俺はそんなに間違ったことをしたのか!?」とか思っちゃう、主人公の絶望的な頭の悪さ、想像力のなさである。

    おいおい、じゃあどうなると思っていたんだ。
    私はそれが聞きたい。
    残虐なやり方で復讐を果たしてムショから出てきたら、皆が「よくやった!」って拍手してくれるとでも思っていたのか?
    「過去は過去、うちでやり直せよ」とか言ってくれる親切な工場長でも現れると思っていたのか?

    阿呆か。

    世間から爪弾きにされる覚悟もなく、拷_問つきの復讐をやったのか。
    その浅はかさに対して、私は軽蔑の念しか覚えなかった。

    どんなに不幸でも不運でも、自分に同情する復讐者なんて、私は見たくはない。

    • 10
  2. 評価:2.000 2.0

    乱歩が泣いている

    単独の漫画作品として見れば、それほど悪くはなかった。
    ミステリと呼ぶにはあまりに大雑把に過ぎるし、アニメチックな絵柄も気になるが、ポップで勢いはあり、「探偵調」のアクション漫画として読む分には、まあ、許容範囲ではなかろうか、と。

    しかし、馬鹿言っちゃいけない、本作は「明智小五郎」を名乗っているわけだ。
    この一点は、どうしても許容できなかった。

    小学校の頃、乱歩が子ども向けに書いた探偵小説を読んで、生まれて初めて好きになった探偵が明智小五郎だった。
    だから、余計に許せない。
    いくら何でもやりすぎだ。

    例えば、だ。
    「ジョジョ」ではない漫画で空条承太郎という学生帽の人間が出てきて、「オラ、ワクワクすっぞ!」とか言われて許容できますか?
    「ドラゴンボール」ではない漫画で孫悟空という胴着の人間が出てきて、「ジッチャンの名にかけて!」とか言われて許容できますか?
    私は無理だ。
    そのくらいのことを、この漫画はやっている。

    かといって、明智小五郎という設定を取っ払ってしまうと、乱歩作品へのオマージュというかパロディというか、そういう部分が全て死んで、作品の機能が停止する。

    もう少しまともに明智小五郎を描いてくれたなら、それなりに読める漫画にはなったと思うが、これでは、乱歩が泣いている。

    • 7
  3. 評価:2.000 2.0

    疲れた

    人が真剣に(かどうかは知らんけど)作ったものに罵詈雑言を浴びせるなんて、本来どうかと思う。
    客が金さえ払えばどんなクレームをつけてもいい、そんなわけがないのと同じで、読者が作品に何を言ってもいい、ということでもないと思う。
    そこにはやはり、一定の節度や品みたいなものがあるべきだとは思っている。

    しかし、申し訳ないが、信じられないほどつまらなかった。

    これで笑える人間がこの世に存在するということを私は信じられないし、本作の売りであるはずの「おことば」は、上手くも深くも何ともない、ただただ痛い、としか思えなかった。

    私はもう、疲れたよ。

    • 3
  4. 評価:2.000 2.0

    ループの意義は

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    ループもの、というよりは、よくある不倫漫画にループの設定を無理に持ち込んだ、という印象が強かった。
    穿った見方をすれば、「これじゃありきたりだから、ループものでいってみますか?」と編集者から提案でもあったんじゃないか、と思うような作品である。

    そんなとってつけたようなループ設定だから、当然、粗も多く、オーソドックスな「死ぬとループする」という設定に加えて、「死を回避できてもループする」という形なのだが、これがさっぱり機能していない。
    死んでもループ、寝て起きてもループ。
    何か、緊張感がない。
    何普通に寝てんだよ。

    他作品の推薦でアレだが、私が読んだ最高のループものは「サマータイムレンダ」である。
    ループものの傑作をお探しの方は、是非。

    • 13
  5. 評価:2.000 2.0

    今日も今日とてデスゲーム

    私のレビューを継続的に読んでくださっている奇特な方がいらっしゃるならば、「こいつ、またデスゲーム系読んでんじゃん、馬鹿じゃねえの?」と思うだろう。
    安心して下さい、私自身もそう思う。

    さて、本作、絶望的なほどの欠点もないけれど、拾うべき点もあまりに乏しい。

    これ系を読み過ぎて、何だか評価基準がわからなくなってきたので、正気を保って評価するために、デスゲーム系が面白くなる条件みたいなものを、今、私なりに考えてみた。

    ①ゲームそのものの完成度が高い。
     これは「ルール設定」の面白さ、と言っていいと思う。

    ②頭脳戦として練られている。
     一見不可能に見える状況を「そう切り抜けるか!」という面白さ。

    ③予想を裏切る展開。
     特に、「安全圏」にいると思われていた人物が死ぬ、とか。
     あるいは、ゲームに意外な目的があった、とか。

    ④キャラが立っている。
     先の③も、実はこれがないと成立しない。
     デスゲームである以上、死んでもいいキャラしかいなければ、意外であってもどうでもよくなる。

    ⑤緊張感がある。
     これも、④がないと成立しない。
     「別にこいつが死んでも」と思われてしまったら、緊張感もクソもない。

    そういうのが、本作、一個もない。
    逆に、また他作品の推薦で申し訳ないのだけれど、「今際の国のアリス」には、前述の①~⑤の全てがあった。
    そういうことなのだ。

    まあ、こんな箇条書きで作品が出来上がるほど、創作の世界は甘くはないけれども、何かひとつくらいはあってほしい、とも思う。

    • 4
  6. 評価:2.000 2.0

    違和感と嫌悪感

    もう随分と昔の話になるが、高校の頃、オウムの一連の事件に関する本を何冊か読んだ。
    おそらく、オウム真理教という存在にまつわる「なぜ」という問いは、当時の私にとって、なかなか重たいものだったのだろう。

    こういう言い方は何だが、今にして思えば実に馬鹿げた事件だったと思う。
    しかし、その馬鹿げた事件が異様な規模で起きてしまったことが恐ろしいのであって、雑に言えば、それが時代というものであり、人間というものなのだろう。

    「今更」こういう漫画が世に出ることを、別に否定はしない。
    ただ、ペラペラの考察をいかにも深みがあるかのように煽る演出は茶番もいいところで、言葉は悪いが、馬鹿じゃねえの、という感想しか湧かなかった。

    基本的なトーンがコミカルなのも考えもので、私は何かと不謹慎、不謹慎と騒ぐのは嫌いだが、コミカルに描きながらそれが絶望的につまらないので、違和感と嫌悪感だけが募ることになった。

    漫画でオウムのことを知ろうと思うなら、小林よしのりが描いたものを読む方が、百万倍有意義かと思われる。

    • 9
  7. 評価:2.000 2.0

    何なの?

    ネタバレ レビューを表示する

    曜日ごとに人格が入れ替わる、という男の話、らしい。

    「らしい」と妙な言い方をしたのは、私にはどう考えてもそういう話には思えなかったからである。

    読んでもらえば伝わると思うのだが、「人格」が入れ替わる、という漫画の表現として成立していない。
    肉体を含めてただ別の人間になっているようにしか見えない。

    私の頭には「は?人格?」と絶えず不快なクエスチョンマークだけが浮かび続け、マジで何が何だかわからなかった。
    訳がわからないということは、とても恐ろしい。

    • 4
  8. 評価:2.000 2.0

    勉強不足

    風変わりな精神科医の主人公が、患者の深層心理を解き明かす、的なサスペンス。

    正直、この題材を扱うにしては、勉強不足。
    ちょっとかじったレベルの心理学、精神医学を漫画に「取り入れた」程度で、素人目に見ても、さすがに浅すぎるし、リアリティーも何もあったものではない。

    別に精神医学に限らないが、ある程度専門性の高い分野に踏み込む漫画には、もうちょっとちゃんとしてくれ、と思う。

    • 5
  9. 評価:2.000 2.0

    浅はかな生と死

    自殺を禁止する法律、通称「抑死法」が成立した社会で、自殺志願者(死願者)を止める「抑死者」の活躍を描く話。

    申し訳ないが、全てが薄っぺらい。
    軽々に論じられるはずのないテーマを、あまりに軽率に描いてしまっている、というのが率直な感想である。

    だいたい、「自殺を禁止する法律」という設定からして緩すぎる。
    「禁止」って、それを破ったときにどういう罰則があるのか、例えば死んだ人間の財産が没収されるとか、遺族にペナルティーが科せられるとか、そういう描写は一切ない。
    単に「自殺はいけませんよ」というだけなら、それは単なるスローガン(まあスローガンですらないが)であって、法律ではない。
    そういうことを含めて、何かと浅はかさが露呈されており、まるで入り込めなかった。

    • 4
  10. 評価:2.000 2.0

    見世物の域を出ない

    コンビニでよく売っているような、有象無象の「見世物」的な犯罪実録漫画のひとつ。
    こういう漫画は大体においてそうなのだが、圧倒的にリサーチが足りない。
    ネットで5分で拾えるレベルの情報しか得ようとしていない。
    私はそういう姿勢が嫌いであるし、申し訳ないが、わざわざ読むようなものでもなかった。

    話のラストで不意な注意喚起、「あなたのすぐ傍に犯罪者が…」みたいな空気を出しているが、とってつけたもいいところで、何の迫力もない。

    ただまあ、これより少し前に読んだ別の犯罪実録漫画があまりに酷かったせいで、読んでいてある種の安心感すら覚えた。
    全ては相対性の中に存在しており、ときどきアワやヒエを食べることで白米のありがたさを思い出すようにして、私は生きている。

    • 4

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