rokaさんの投稿一覧

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評価1 5% 35
101 - 110件目/全151件
  1. 評価:3.000 3.0

    前世という名の超能力

    異能、というか、ほぼ超能力系バトル漫画。

    新しいのは、能力が「前世」に依拠している、というところか。
    要するに、過去に実在した人間の才能を受け継いでいる、ということ。
    宮本武蔵が前世なら、剣術の才能がすげえ、とかそういうことである。

    設定自体はなかなか面白いのだが、いかんせん「才能」の内容がぶっ飛びすぎていて、序盤からちょっと冷めてしまった。

    宮本武蔵ならまだいいが、アルバート・フィッシュの才能を受け継ぐと食人によって超人的な肉体にパワーアップするとか、それはもう前世だとか才能だとかいうレベルの話ではない。
    単に実在の人物のイメージから飛躍した超能力に過ぎず、何だかなあ、と思ってしまった。

    まあ、「バトル向き」の才能に限定してしまうと、人選に難が出てしまうのだろうが、肝心のバトル自体にも、イマイチ魅力を感じなかった。

    • 3
  2. 評価:3.000 3.0

    悪の所在

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    前半は、かなり興味深く読んだ。
    夫の浮気に悩む妻の心の微妙な動きが、なかなか繊細に、リアルに、表現されていると思ったからだ。

    (ここからネタバレ)

    しかし、夫の浮気相手が実は妻の友人で、こいつがとんでもない女で、しかも夫は浮気をしてすらいなかった、という展開には、私は冷めてしまった。

    そりゃ、サプライズはあった。
    あったけれど、この女があまりに圧倒的な悪役すぎて、主人公の夫婦は単なる「被害者」みたいな位置になり、漫画の文脈が、変質してしまったように感じた。

    私は、何となく、主人公の夫婦が、お互いの悪を抱えて、それをいかに許し、乗り越えるのか、ということに注目していたのだと思う。
    もちろん、それは勝手な期待なのだが、この展開になってしまうと、もう別の漫画じゃん、というか、何やらそこまで積み上げてきたものが崩れて台無しになってしまったように感じた。
    要するに、裏切られたみたいな気分になったのだろう。

    だってもう、夫婦が乗り越えなくてはならない問題なんて、ハナからなかったってことじゃん。
    悪いのはこの女だけじゃん。
    それがわかった後でも主人公はまた悩むけど、それは、何だかなあ。

    • 881
  3. 評価:3.000 3.0

    ホラーとミステリの難しさ

    冥婚、という(現代日本の通常の感覚で言うと)奇妙な風習をモチーフにしたホラー漫画。

    実質、ホラー・ミステリ、というような感じで、初期の「リング」的というか、恐怖の正体を探る展開は、なかなか面白かった。

    イマイチ高く評価できなかったのは、ホラー漫画としての「画」のインパクトが薄かったのと、ホラーとしてはちょっと因果関係みたいなものがカッチリし過ぎているように感じたからだ。

    ミステリは大いに結構なのだが、そのアプローチは、意外と、ホラーとの相性は難しい。
    原因があって、結果があって、つじつまが合う。
    それは、ホラーとしては、微妙なのだ。
    わけがわからないことほど恐ろしいことは、ないからである。

    • 10
  4. 評価:3.000 3.0

    ここまでか、こんなもんか

    主人公の親友がいわゆる悪女で、主人公の好きな男を…という話。

    展開はスピーディーでテンポよく読めるが、ちょっと性急に過ぎる気もする。
    このあたりは、賛否あるだろう。

    悪女の造形も、好みが分かれると思う。
    悪女だけどしたたかで魅力的だ、とか、悪女を演じているけれど健気だ(ピンとこない方は中島みゆきの「悪女」という曲を聴いて下さい)、とか、そういう女ではなく、要するに、ただ顔が可愛いだけの嫌な女である。

    しかし、その「ただ顔が可愛いだけの嫌な女」に引っかかるのが、男というものなのだ、残念ながら。

    「カジノ」という古い映画の中で、シャロン・ストーンがたいそうな悪女を演じており、ロバート・デ・ニーロ演じる主人公が、その虜になる。
    私の妻はそれがどうしても理解できないと言っていた。
    何であんな女に引っかかるのか、と。
    私は、男は阿呆だから、「何であんな女に」という女に引っかかるものなのだ、と解説したが、「あなたもそういう女に引っかかるのか」と妻の機嫌を損ねただけだった。

    何が言いたいのかというと、私は、男の愚かさをよく自覚しているつもりだ、ということだ。

    だが、その私であっても、この漫画に関しては、さすがに「男はここまで阿呆だろうか」と首をひねった。
    いくら何でも、十五のガキじゃあるまいし、悪女のこんなに露骨な策略にはまるだろうか。
    うーん。
    でもまあ、こんなもんかなあ、男は。

    • 137
  5. 評価:3.000 3.0

    その復讐はもはやギャグ 

    いじめが原因で命を落とした兄、それをきっかけに崩壊した家族。
    その復讐を果たすため、優等生だった兄になりすまして高校に入った不良の弟の壮絶なリベンジが…などと書くともっともらしいが、いや、兄が死んだのばれてないんかーい。
    とか、全国模試で上位にいるような優等生の兄が、不良の巣窟みたいな高校に通ってたんかーい。
    とか、もう、設定段階からゆるゆるである。

    復讐の舞台となる高校も、フリーザみたいな不良のボス(こいつがなぜか敬語でしゃべるものだから、余計にフリーザを彷彿とさせる)がいて、やれ親衛隊だの、やれナンバーズだのと、今どきRPGでもやらないんじゃないかという設定具合で、シリアスな復讐物語、という作品の方向性は完全に死んでいる。
    これをギャグでやっているならハイセンスだが、大真面目だから、寒い。

    個人的な加点ポイントは、絵だ。
    賛否あるだろうが、「雑なデッサンをカラーにした」という感じのザラッとした絵柄は、なかなか魅力的に映った。
    逆に言えば、この絵を受けつけない読者にとっては、本作を読む価値は皆無に近いと思う。

    ただ、主人公の復讐劇が、基本的に暴力を行使するものである以上、殴るシーンに全く迫力がないのは、いささか致命的に思われた。

    • 56
  6. 評価:3.000 3.0

    尖ったものが

    いじめられている主人公の高校にミステリアスな転校生がやって来て、主人公を救い出してくれるのだが、どうやらその転校生が尋常ではなくヤバい人だ、という話。

    「サエイズム」という漫画からコメディ要素を排除したような感じで、決してつまらなくはなかったのだけれど、終始「どこかで見た感じ」がつきまとってしまうのはなぜだろう。

    ストーリー展開にも、登場人物の造形にも、一度もハッとするような部分がなかった。
    手堅いと言えばそうなのかもしれないが、何もかもがあまりに類型の域を出ないと、読んでいてがっくりきてしまう。

    読者のワガママだが、何かひとつくらいは、尖ったものが欲しかった。

    • 3
  7. 評価:3.000 3.0

    首を捻った

    以前、この作者の別の漫画を読んだときは、とんでもない力量の持ち主だと感じた。
    人物の造形が異様なほどリアルで、そして、怖かった。

    それは、上手く言えないが、「怖い人間を描く」というようなことではなく、人間がどれほど恐ろしくなり得るかを、冷徹に見つめる、ということであるように感じた。

    私はどこか「そういうもの」を期待して読んでしまったせいで、本作には正直、首を捻った。

    • 2
  8. 評価:3.000 3.0

    麻雀とスタンド

    「スタンド使いが麻雀で対決する漫画」と言えば伝わりやすいかと思う。
    危険牌がわかる、ドラが集まってくる、役満を容易に完成させる、などの特殊能力者たちによる麻雀バトル漫画。

    麻雀漫画としては異色であり、また、完全に破綻しているが、「これはこれで面白い」と感じさせるのは、漫画としての力量だと思う。

    ただ、ピークは「山城麻雀編」までで、それ以降の失速というか、バトル漫画の典型であるインフレパターンに入ってしまってからは、正直、ついていけなかった。

    • 2
  9. 評価:3.000 3.0

    入り込めず

    警察の扱わない事例を調査する、民間の科捜研の調査員を主人公にしたミステリ漫画。
    例えば痴_漢の冤罪とか、父親の死の真相とか、ストーカー被害とか、調査対象は多岐に渡る。

    民間の科捜研、という設定は新鮮だったし、ちょっとふざけたハードボイルド、という感じで面白そうだったのだが、イマイチ入り込めなかったのはなぜだろう。
    個々の事件の過程にも顛末にも、あまり感情を動かされることがなかった。
    合う、合わない、という言い方を安直にするのも気が引けるが、私は、どうにも駄目だった。

    • 4
  10. 評価:3.000 3.0

    ライフ・アフター・夫の浮気

    夫に浮気された妻たちの体験談を漫画化したオムニバス。

    テンポよく、サクサク読める。
    漫画的な演出は少なく、特別にドラマチックではないのだけれど、よくも悪くも現実とは「そんなもの」なのかもしれず、そういう意味では、一定のリアリティーはあった。

    人生だから、嫌なこともある。
    パートナーに浮気されるなんて経験は、誰だってしたくはない。
    けれど、人生の全ての嫌な経験について大切なことは、そこから何を学ぶか、ということなのだろう(もちろん、それは簡単ではないのだけれど)。

    この漫画の登場人物たちは皆、夫の浮気から、何かを学んでゆく。
    それは例えば、新しい夫婦の関係性であったり、自分がどういう人間であるか(あるいはどういう人間になれるか)という発見であったり、相手がそもそも自分にとって本当に価値のある人間ではなかったのだという認識であったり。

    それを「学んだ」ことが、はたして幸せだったのかは、わからない。
    しかし、夫に浮気されようがされまいが、人生は続くのだ。
    その点、本作は、浮気をただスキャンダラスに描いた漫画ではなく、浮気された「後」の人生をどう生き抜くか、というテーマを一貫して綴っている。
    そういう意味で、「処方せん」というタイトルは、結構、的を射ているのかもしれない。

    • 8

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