4.0
読むには中々ツラい
容姿への劣等感は、正確には周りからの態度や言動、社会的な扱いの格差など、他人から価値付けられる部分が大きい。自分ではどうしようもない要因によって、人の倍努力と忍耐を重ねてもなお求める幸せが得られない傍で、そうした自分の苦労や痛みなどとはまるで無縁の幸せを容易に手に入れる人が身近にいる事で、ヒロインは自分の存在、生きる意味にさえ価値を見出せなくなり、ますます苦しみが積もる。そんな様子が非常に克明に描かれていて、読んでいて中々辛い。
これは作者の体験記のような話らしいが、実際日本社会は女の価値を容姿と見做す文化は非常に強く、故に美容クリニックや化粧品業界が大流行りするのである。
読んでてホントに息苦しい。
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