5.0
泣いてしまった
初音ちゃんは子供なのに、大きな子?と思って、3話まで読んで意味を理解して泣きました。
羊の夢だけがカラーで描写されてる中、唯一現実でカラー描写されたのは最終話の最後。ここで初音ちゃんの髪色がわかり、初めから羊の夢にいたのは現実から逃げ出した母親だったのだとわかります。
母親も初音ちゃんを愛していて、だからこそ不自由な思いをさせないために必死で働いて家事も育児もして…ただきっと成長する初音ちゃんの口を塞ぐ描写があったように、初音ちゃんの声をかけなかったり遮ったりしてしまうことがあったのかもしれません。時に暗い顔して泣く母親に幼い子が明るく声をかけることは難しいでしょうし。
初音ちゃんもいつからか喋ることが苦手になってしまった自分を忙しくてもきちんと育てて関わろうとする母を大切に思っていて、それに応えられない自分をもどかしく思っています。
ホルンを教えてもらえたことはかなりラッキーな偶然でしたが、これからは吹けるようになったホルンが亡き父親の代わりに少しでも母娘の2人を繋ぐ絆になってくれればなあ、と願っています。
中学生くんも隣のおばあちゃんも優しくて、この環境でならきっとしあわせな家族を少しずつ作り上げていけるんじゃないかなあ、と希望が持てる、素敵な世界のお話でした。
不思議な羊さんにも感謝。
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羊の夢