1.0
新境地を目指したのかな
この作者さんが好きで何作品か読みましたが、いつもは素直で元気いっぱい、おっちょこちょいのおかっぱの女の子が一癖ある個性的な男の子と恋をするパターンで、それがハマる作者さんなんだと思います。ヒロインが誰とくっつくのかも最初から明らかで予定調和が心地よい作者さんです。
今回はそれを外して「普通の」優柔不断な男の子が主人公で「自分を持った」女の子のパターン、くっつくようには最初は見えなかった二人が長い時間を掛けていつの間にか惹かれ合う…的なことがやりたかったのかな。
いくえみ綾作品のように。
でも見事に失敗してると個人的には思いました。まず二人に魅力が全然ない。
主人公の「パスタを注文して一口食べたときにほんとはあれが食べたかったんだとわかる」という趣旨の発言は、あるあるのつもりなのか?
不気味というか、根本から信頼できない人間性だなあと。
こういう人物は何かにつけ不満や不幸をみつけそうで、一緒にいる人は幸せにはなれなそう。 結婚したら「ほんとは結婚なんてしたくなかった」、子供ができたら「欲しくなかった」とか言わないのだろうか…
女の子も嘘のつけない、自分を持っててミステリアスな人物にしたかったのかもしれませんが、、ミステリアスに見られたがってる自意識過剰の中学生かな?と。
自分を持ってるどころか、むしろ精神的に非常に不安定に見えてしまう。言動が支離滅裂で向井くんみたいなタイプはこういう女の子のことは本能的に怖がって近づかなそう。
無理して新境地目指さずとも、作者さんの持ち味がでるいつものパターンでまた作品が読みたいです。
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こっち向いてよ向井くん