5.0
純粋な運命の恋
崋山院家の長子は20歳以上は生きられない!という言われの為に生まれてからずっと死ぬことを前提に生きている楓。忍者の里で純粋な杏子と出会い自分の側忍にしたいと思うが杏子に断られ、一緒に見た秋の星空を大切な思い出に生きていた。杏子は、迎えに行くと言った楓の言葉を信じて修行に励む。4年後、迎えに来ない楓に痺れを切らし里を抜けて東京に楓を探しに来て2人は再会する。
常に死を意識して暮らす楓。冷徹で残酷な崋山院家の当主としての顔と杏子への純粋で優しい顔、杏子にだけは嫌われたくない!死ぬ定めとしても杏子だけは諦められない!杏子が近づき過ぎないように距離を遠ざけても杏子に引かれると手放せない!杏子が本当に大好きなんだと読んでいくと伝わってくる。紗々女と結婚しても杏子を愛している、隣に誰が来ようと心は杏子だけのもの、出会った時からずっと君だけを見てた、来世でも君を想う、だから私のものになって。紗々女との結婚前夜の愛の告白にグッときます。崋山院家の当主として御堂家の令嬢、紗々女と結婚するけど愛しているのは杏子。楓は誰も愛さず人を遠ざけていた父が側忍にだけは心を通わせ自分の最後を看取らせた姿を見て、自分もかけがえのない側忍を持ちたい、楓の中では妻≦側忍という存在。崩落事故や鐡男による暗殺から命拾いする楓。杏子と共に生きたい!と生まれながらの死生観が変わる。側忍以外の役職も考えてみる?テーブルの上にはリボンをつけた小さな箱=指輪?匂わせプロポーズ。杏子は実は御堂家の令嬢(これも匂わせで終わってる)だし、結婚して妻で側忍になるのかな?って想像するラストが良かった。
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