5.0
事件を引き寄せる体質? いるよね〜
物語を現実に当て嵌めて考えた場合、「偶然にしても、あり得ない!」設定が幾つもある。例えば、往年の警察ドラマの舞台・七曲署。配属された刑事たちが、あれだけ殉職するって、あり得ない。それから、体は子供で頭脳は大人の、真実は一つ!が決め台詞のあの子。単純計算で、1日1回以上事件に出会しているそうな…。そして、普通の学生のはずの久能整クン、キミもいったいどーして、こんなに事件と出会うんぢゃ?!で、面白すぎです。
多分私たちは、自分で思っている以上に、事件や事故、不可思議と普段もニアミスしているのだと思う。でも、それに気付いているか否か…久能クンは、気付いてしまうタイプ。万年ヨレヨレのコートを着た外国のあの刑事さんや、高い位置からポットで注いだ紅茶がお好みのあの刑事さんや、意味深なオープニングトークのあの刑事さんなんかと同じで、火のなかったところにも煙を立ててしまうし、視えないものも視えてしまってで、大変なんだろうな。こんな整くんの子供時代がどんなであったか、それも気になります。そのエピソードだけで、一本お話が書けそう…。
題名の「ミステリと言う勿れ」 整くんの体験は、決してミステリではなく、ありふれた日常の一側面ってこと? あー、天才っていう能力も大変だ。日常の中に潜んでいるらしいミステリ、その存在に気付くことなく、あくまで一読者として、客観的にミステリーを楽しんでいく側で幸せです。「鈍感力」も能力だ、星5です。
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ミステリと言う勿れ