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想像の斜め上を行く北川発ヒロイン
北川みゆき先生の描くヒロインは、いつも想像の斜め上を行く(こんな表現をしたら、マナー講師の涼子母に叱られそう…)タイプが多く、いつも何かを抱えている。今回のヒロイン釘宮涼子は、結婚1年でワケありバツ1というのが、その何か。さらに、離婚後、初めて気になったというか、付き合うようになった相手というのが、元旦那の弟で内科医の高橋吉乃。北川先生、どこまで話を複雑にするつもりかしらん?
サバサバしているように見えて、実は涼子が負った傷は思いの外深く、それが2人の関係に影を落とします。でも、年下ながら吉乃センセ、本気度半端ない!跳ね返されても、跳ね返されても、諦めない執念深さ?は、正に涼子を離婚に追いやった高橋家のDNAだなあと、妙に感心しました。
途中、引っ張るだけ引っ張って、最後にあっさり終わるのも北川作品の十八番。今回も期待を裏切らず、怒涛の勢いでジ・エンド。元旦那+その浮気相手と、義兄妹という間柄になったのだから、そこんとこのバトルも見たかったなあ…。だって、自分の再婚前に「思い出づくり」をもちかけて来るようなゲス男だよ?天罰が下るところを見たいじゃん!でも、そんなくだらないことには、大切なページを割かないのが、北川作品のよさなのでしょうね。
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嘘、ときどき微熱