4.0
美女だけど魔獣?
ただ親に嫌われて蔑ろにされる令嬢の物語ならよくありますが、ヒロインの手に銀鱗がある時点で、完全に異世界ファンタジー。いつの時代も、どこの世界でも、異形の者は差別、排除されるのかと思うと、悲しくなります。漫画ってさりげなく道徳的価値をぶっ込んでくるなぁーと、感心することしきり。本作も、差別や個の尊厳などについて考えさせてくれました。
それにしても、シルヴィア本人に想いを寄せるハロルドの一途さ、不器用さは、朝丘先生が描くヒーローのイメージぴったり!相手を想うあまり、直視できずについ顔プイしてしまうあたりは、「一体、君いくつ?」とツッコミを入れたくなるほどです。でも、女性側としては大歓迎の誠実さですね。
欲を言えば、シルヴィアの銀鱗の謎は、はっきりさせてほしかったかな。結果的に、誰かを守る力となり得るようだけれど、世間一般には評価されないようだし、そもそもそんな体に生まれてきた理由も分からず仕舞いで、ちょっぴりモヤッ。ただ、「真実の愛が二人の運命を救う」ところはブレていないので、テッパン異世界LOVEファンタジーがお好みの方には、強くお勧めします。
-
0
鋼将軍の銀色花嫁