4.0
願い事は慎重に…
一度命を落としたリトリシアが、過去に戻って再び人生をやり直していることも、その過程でキリアンが少しずつ愛を自覚していくのも、み〜んな「シュテンの塔」で、誰かが誰かを想ってかけた願い事のお陰。ただし、そこには大きな代償が要求されるわけで、一人一人異なるその内容には、いろいろ考えさせられるところがありました。
いくら綺麗事をいっても、結局は自分の「欲望」を口にしているシュテンの塔への願い事。それでも、誰かを踏み台にしたり不幸にしたりしてでも、ゴリ押ししようとする願いと、誰かの幸せを願うそれとでは、意味が違うよなぁと思ってしまうのは、ちっちゃい人間のエゴでしょうか。O・ヘンリー「賢者の贈り物」に出てくる若夫婦二人を「欲望に塗れた」と皮肉る世界には、まだなっていてほしくない的な。
本作の中で「賢者の贈り物」をした人物は、一体誰だったのでしょう。それが分かったとき、この物語の見え方が、また違ったものに変わる気がします。願い事は、慎重に…。
-
1









余命わずかですが、執着暴君の契約妻になります