4.0
「王の菜園」の救世主は?
江本マシメサ先生の作品は、単純に腹が煮え繰り返るようなクズ悪役の登場が少なく、気持ちよく読めるから、好きです。今作の敵役も、素直に気持ちを表さなかったために、ヒロインリュシアンの恋愛対象外になってしまった、幼馴染みのロイクールくらいかな?でも、全然悪人じゃないし、むしろイタくて可哀想なお坊っちゃま…。完全に、ヒーローコンスタンタンの引き立て役です。
「北欧貴族と猛禽妻」でも感じたけれど、漫画でありながら、それぞれの土地風土に目を向けたり、さりげなく異文化を紹介したり、経済活性化について触れたりするなど、読めばちょっと頭が良くなる?印象。(個人的に「江本マシメサ講座」と呼んでいます)今作も、人材活用や税金の無駄遣いについて問題提起して、「王の菜園」再生に向けて、リュシアンとコンスタンタンとの恋模様を交えながら、楽しく紹介しています。
一つ気になったのは、ロイクールに攫われて、夜明かししたリュシアンが、ロイクールと結婚させられなかった件。普通は名誉が穢されたとして、スキャンダル対策で、絶対結婚させられるでしょ。そこだけ?でしたが、規格外令嬢のリュシアンだから、まあ、誰も気にしなかったんだろうなー。
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『王の菜園』の騎士と、『野菜』のお嬢様