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いよいよ重要な場面に入ったようですね。ついにエリーゼの圧倒的な医学知識がこの世界の医療に革命をもたらしつつある中、過去を知るエリーゼ故、大敗に終わったこの世界でのクリミア戦争の戦略的な失敗要因の指摘。『令嬢の戯言』と侮らず素早く対応した陛下と皇太子の行動により、直接的には関係無いモンセル王国を使って側面攻撃し孤立させる共和国の戦略は失敗し、むしろ自国の方が戦術的にも敗北しつつあり、かつ戦略的にも孤立させられつつある中、乾坤一擲の作戦を仕掛けるしか無くなりつつあるのでしょうね。もはや両国の全面的な激突は避けられないでしょうね。追い詰められつつある共和国の方が卑劣な手段を仕掛ける可能性が高まりそうですね。エリーゼの知るこの世界でのクリミア戦争とは異なる局面に入ったようですが、21世紀の医大教授として二つの世界大戦を知る彼女ならばこの世界の軍事参謀より遥かに有能でしょう。エリーゼが過去の失敗を逃れようと行動する程、有能さが目立ってしまい、政略結婚としか相手を見ようとしなかった皇太子も本格的にエリーゼに興味を持ち始めているようですから、不幸な結果に終わったエリーゼと皇太子の過去の結婚とは異なる未来になるかもしれませんね。過去を知る故に皇太子に対して距離を置こうとするエリーゼと、そもそも恋や女性に興味の無かった皇太子がエリーゼに興味を惹かれていく、不器用な二人の恋物語に興味津々ではありますが、同時に圧倒的な知識を持つエリーゼの医療技術が生かせる未来が来るのか期待しながら続編を読みたいと思っています。
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