5.0
淡々としている主人公
宮崎さんの作品に割と多いのですけど、主人公が困難な状況でも淡々としていて、ため息つきながら困難を乗りきろうとしている様子が描かれています。
他のレディコミの主人公は感情を激しく表出していることが多いので、宮崎さんの作品の特色ですね。
こちらはどの作品もかなり個性的な、というよりは結構困った人が出てくるのですが、主人公たちは淡々と当たり障りなく対処しています。
相手が自爆したり、しれ~っと去っていくのにホッとします。
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宮崎さんの作品に割と多いのですけど、主人公が困難な状況でも淡々としていて、ため息つきながら困難を乗りきろうとしている様子が描かれています。
他のレディコミの主人公は感情を激しく表出していることが多いので、宮崎さんの作品の特色ですね。
こちらはどの作品もかなり個性的な、というよりは結構困った人が出てくるのですが、主人公たちは淡々と当たり障りなく対処しています。
相手が自爆したり、しれ~っと去っていくのにホッとします。
都市と地方というモチーフが前作の「花園町メリーゴーランド」と同じなのですが、前作が都市から地方の村社会に来た異端者の視点だったのに対して、こちらは都市の文明社会から訪れた異端者に振り回される原始的な孤島の住民たちの視点で描かれています。
時代が平安時代とはいえ、稲作もないような絶海の孤島と、先進文化が発達していた都では文明の発達レベルが違う。
まさしく文明と文明の衝突です。
そして自然災害という危機が重なり、人間のエゴイズムや欲望がむき出しになっていく。
非常に壮大な物語といえます。
小学生当時、初めてこんな怖い漫画を読んだ!というほどにショックで、その日のうちに発熱しました。(実はたまたまインフルにかかっただけなんですけどね。笑)
ようはそんだけトラウマになっちゃうほどの怖さで、半年近く学校の帰りが怖くて仕方なかった。
成人後に読み返すと、さすがにそこまで怖いとは感じませんでした。
都市伝説系ホラーとしては、望月峯太郎さんの「座敷女」にも通じる部分があります。
学歴でも容姿でもそうなんですが、下手にスペック高いけど人間性がついていかない人って、うまくいかないんですよね。
ある意味ではすごく可哀想な人たちでもあるけど、自分ときちんと向き合うことさえ出来れば、いい人生になるのに……。
そんな人たちのお話でした。
「ウソのつけない女」は短所って長所の裏返しにもなり得るし、個人の資質っていいところも悪いところも、どう向き合っていくかが一番大切なんだと思うお話でした。
学校でも職場でも、地域やPTAでも最終的にウザがられて居場所なくしちゃう人なんでしょうね。
自分語り大好きな人って、孤独の裏返しのようにも思えます。
懲りない人だから、異動になっても同じこと繰り返すんでしょうね。
ふたつめの「エセ謙遜女」みたいな人って、友達なくしちゃうことが多いと思うんですが、ずっとつき合ってる友達がいるって結構レアケースかと思います。
「自称サバサバ女」って「ワタシってサバサバしてるから」とよく似たお話ですね。
ハッピーエンドになってるので救いがありますけど。
主人公は可哀想ですが、ついついクスッと笑ってしまう内容です。大丈夫!あなたもいつかいい人見つかるからさ!って親戚のおばさんみたいな視線になります。
「真綿に針」は幸せと不幸って隣り合わせなんだなと思える作品ですし、「蜘蛛の巣」はショッキングな話ではありますが桐野さんの絵柄でうまく中和されている気がします。
「友情の行方」は表題作とはひと味違う笑いが込み上げてくる作品です。
「出来た姉」は冷ややかでビターな印象の作品です。
「ヘルター・スケルター」や「恋の奇跡」など整形美女とマッド・サイエンティスト医師が出てくる物語は多いですが、それらの作品の原型はこの作品だと思っています。(この作品自体がフランケンシュタイン等の影響があるのかもしれませんが)
この作品が小学生も読む雑誌に掲載されていたことに驚きます。
今だったらコンプライアンス的に難しいでしょうね。
身近に似たような人がいるエピソードもあり、思わず投稿者さんの居住地確認してしまいました。
他県の人だったので、「わたしの知ってるあの人」ではなかったようですが。笑
そういう身近にいるちょっと困った人の話がたくさん載っています。
妊婦さんのお話に関しては、初出時と2022年現在では状況変わってるといいなって思います。社会が優しい方向にむかっているといいなぁ。
ウェブで連載されていた頃から読んでいましたが、女性たちから共感と賛同のコメントが多かったのに対し、男性からはももこのことを「身勝手な妻」扱いするコメントがちらほらありました。
作者さんもあとがきで書いておられたのですが、つとむさんは必ずしも間違っているわけではない。とはいえ完全にモラハラ夫で、ああいう人に多くの男性が感情移入しているとしたら、ちょっと怖いですね。
首都圏の連続男性不審死事件の犯人とかもこのタイプでしょうね。
恋愛市場からあぶれた男を次から次へと落としていくモテ女。
「妄想警報」は投稿者の方やそのお友達のその後が気になるお話でした。
「仮面親友」は、お友達側からしたら「こんなことしてないし、言ってない!」って言われちゃう内容かもしれません。
穿った見方かもしれませんが、個人的には作者さんって投稿者の人よりはお友達側に共感してたんじゃないかな?と思ったりしてます。
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