みんなのレビューと感想「[小説]凶愛に啼く獣」(ネタバレ非表示)

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2.0
幸薄系シリアスもの
ヒロインは絶世の美女ですが、義父に厳しく育てられ、自由のない生活を送っていました。
義兄であるヒーローは、そんな彼女に唯一、外の世界を教えてくれた人。
ヒーローに心惹かれながら、想いを拗らせていたヒロインは、王子の妃候補に決まった日に、泥酔して帰ってきたヒーローと一晩を共にしてしまう。
しかし、侍女の策略で、ヒーローは共に過ごしたのは侍女だと思い込んでしまった。
一晩で妊娠したヒロインは、義父に責められ、ヒーローにも罵られ、心を閉ざして、王子ではなく、富豪の老人の元に嫁がされる。
その後、数年で夫に先立たれ、息子も事故で、帰らぬ人となり、莫大な遺産を引き継いだものの、悲しみに沈んでいたヒロインに追い打ちをかけるように、現れたヒーローは、彼女に息子を殺した容疑をかけます。(表向き)。息子は死ななくてもいいのではないかと思ったりします。
ヒーローにより、ヒロインは地下室に閉じ込められ、執拗に嬲られるシーンは生々しくかなり、エグいとしか言えません。
ヒーローはヒロインの産んだ子供が自分の子供だと、気づきますが、その過程が少し強引な気もします。そして、ヒーローは後悔から、180度態度を変え、まるで別人のように、ひたすら献身が続きます。
ハッピーエンドで終わりますが、そこに行き着くまでは、これでもかとヒロインに不幸が降り注ぐので、シリアス系が好きな方にはいいかもしれません。
少しエグいなと思うところや、急な展開に戸惑うところもありますが、ヒーローがヒロインの心を溶かすために頑張るシーンにはトキメキがあるような気がします。
幸薄い美少女ものとしては完成度が高いと言えます。by やとゆ-
4
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