【ネタバレあり】ノイズの空にカナリアのレビューと感想

音楽が想いを昇華する

人の悲しみが音として聞こえる伊之瀬と、実兄への叶わぬ想いを抱いて生きてきた真澄のお話です。真澄は兄への想いを完璧に隠しとおしてきて、誰にもバレたことはなかったのだが…。売れっ子作曲家の伊之瀬は、今まで聞いたこともないほど美しい音を聞いて、音を出している人を確認しに行くが、その時には真澄に強く惹かれていたのだと思う。伊之瀬が真澄の音に触発されて作った曲、その曲を聞いて真澄の兄が感動して泣くところ、感動して泣く兄を見て自分の想いが兄に届いたと思う真澄。伊之瀬の音楽が人の悲しみを昇華させるところに感動しました。

心の音が聴こえると不思議な静な話しの中にエッチなシーンもあってのめり込める素敵な話しでした!!兄の想いの音すら綺麗と言うことで想いの重さが伝わりました

イイ話しでした。

実の兄を好きになってしまった男。人の悲しい気持ちが音として聴こえてくる男。悲しく切ない思いを2人の出会いが溶かしていく。とてもステキな話しでした。

悲しい想いから始まる

じっくり物語を楽しみたい方へオススメ。

ハラハラするようなドタバタがあるわけでもなく、官能的なシーンが多いわけでもなく、淡々と人間模様が進んで行きます。
片方だけが問題を抱えているように見えていますが、実はお互いがそれぞれにもつ問題の解決へ向かって物語が展開しており、読後感がとても良い作品でした。
ぐっと引き込まれる作品です。
オススメ。