ソムタム田井のコスプレリポート:バニースーツの「青春ブタ野郎」レイヤー 理系女子&小悪魔っぽさを表現
配信日:2024/11/17 20:01
コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをピックアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。
8月に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催され、2日間で約26万人が来場した世界最大規模の同人誌即売会「コミックマーケット104(コミケ104)」。同日に、付近の会場で行われた「となりでコスプレ博2024夏(となコス)」で撮影、インタビューした、「青春ブタ野郎」シリーズのヒロインに扮(ふん)する琴羽つばささんを紹介する。
「となコス」とはその名の通り、毎年夏と冬に開催される「コミケ」と同じ日程で、東京ビッグサイトのすぐ近くにあるTFTビルで行われているコスプレイベント。日中は「コミケ」でコスプレを楽しみ、夕方から「となコス」に参加して、夜まで撮影&交流を楽しむといった、イベントのはしごをするレイヤーやカメラマンも多く、かくいう筆者もそうした流れで両方の会場を覗かせてもらった。
初日は双葉理央、2日目は古賀朋絵……と、両日とも「青春ブタ野郎」シリーズに登場するキャラの“バニーバージョン”コスプレで参加していたつばささん。真っ赤なバニースーツが印象的な双葉理央のコスプレでは、その上にまとう白衣や、ウイッグの造形にもこだわったと話す。
「ウイッグに関しては、理央は冷静沈着な理系女子なので、前髪の分け目部分を深めにしてクールな面長に見えるようにしました。衣装に関しては、白衣はボタンの数やポケットの位置などが、女性用より男性用の方がイメージに近かったのでそちらを購入して。バニースーツは体のラインが出るように両サイドを縫い直し、リボンパーツは似た色の布を探して自分で取り付けました」
メークの研究に加え、表情の作り方やポージングも練習してきた。
「メークではクールな雰囲気を表現したくて、アイラインはつり目になるように描きました。その上で、チークやリップは抑えめにして、高校生らしさを出すことも意識しました。表情も凛としたすまし顔や、主人公に“ブタ野郎”というときの浅いほほ笑み顔など、いろんなパターンを練習してきて。ポージングでは肩を張ったり、手足を直線的にして、クールかつ堂々としているように見えるよう努めました」
古賀朋絵のコスプレでは、1着目以上にウイッグの造形にこだわり、特徴的なくせ毛を再現したと話す。
「いちばん力を入れたのはウイッグの造形です。朋絵はウェーブ髪が特徴的なキャラクターなので、全体的にボリュームを出して。前髪の分け目やサイドの毛のカーブの向き、『青ブタ』特有のカクっとしたくせ毛の再現にもこだわりました。衣装に関しては、バニースーツはキャラのイメージに合う色味のモノを探して、体のラインが出るように背中を縫って詰めました」
感情豊かな“古賀朋絵らしさ”を表現するため、あざとい仕草や、すねた表情の作り方なども研究してきたという。
「メークでは“小悪魔っぽさ”を意識しつつ、たれ目になるようにアイラインを入れて。チークとリップは衣装の色に合わせて、明るめのピンクを入れています。また、目を丸く見開いて、口元はアヒル口にすぼめたり、顔まわりに手を添えてちょっとあざとい仕草をしたりと、表情とポージングでも朋絵らしさを表現してみました。ほかにもたくさん笑ったり、すねた表情をしたりと、いろんな仕草で写真を撮っていただけたので、仕上がりにはすごく満足しています」
取材・文:ソムタム田井
提供元:MANTANWEB