さよならララ:クリエーティブプロデューサー 森山菜月インタビュー いろいろな「人生の要素」が詰まっている
配信日:2026/08/08 10:01
キネマシトラスの15周年記念作品となるオリジナルアニメ「さよならララ」。童話「人魚姫」を題材としたアニメで、人魚姫ララが200年の時を経て、現代の琵琶湖によみがえる。クリエーティブプロデューサーの森山菜月さんに作品への思いを聞いた。
◇制作に関わったそれぞれの人生がにじみ出ている
--今作で担当したことは?
“設定制作”と“クリエーティブプロデューサー”です。実は元々は“設定制作”オンリーで最後まで走り切ろうと思っていたのですが、チームプロデューサーである石川(祥気)さんと作品を一番いい形にできるように、お互いの得意分野を最大限生かしながら仕事に当たったら、なんだか不思議な役割分担になってしまいまして。途中で”設定制作”を林大至さんに引き継がせていただき、自分は“クリエーティブプロデューサー”に集中することになりました。とはいえ、“クリエーティブプロデューサー”ってなんだ?と皆さん思いますよね(私も思います)。超簡単に言うと、“作品の質”を守るためにできるありとあらゆることをやる人……という感じですかね。作品の内容の見直し、人間関係やクリエーティブな部分での個人の悩みのフォロー、問題解決、スケジュールの調整、監督へのエールを送る……。あとは、チームプロデューサーの石川君が素敵な素敵なスタッフィングをしてくれているので、その力を生かしながら個々の特徴が作品の枠を超えてマイナスな見え方をしないように……なども考えていました。もちろん石川君と一緒に。二人三脚でしたね。
--作品の魅力をどのように感じている?
視聴者目線でいうと、「ホッとするところ」で、作り手目線でいうと「制作に関わったそれぞれの人生がにじみ出ているところ」です。谷(紫織)さんの可愛らしくどこか懐かしいキャラクターデザインを筆頭に、背景、楽曲……と「さよならララ」はどこかまったりと見れるポイントが多いと思っています。主人公ララの声優の菱川(花菜)さんの声も、まるで朝ドラのような晴れ晴れとした気持ちよさを届けてくれています。そんな「さよならララ」ですが、作品に深くもぐっていくと、いろいろな「人生の要素」が詰まっていることが分かってきます。それは、スタッフが全力で作る際、自分が「ポン」と出せるものでどうにもならなかったときに、絞りだした“欠片”で、その“欠片”には”それぞれが体験してきたこと”の何かが、少しずつ入っているんです。そうして作られた作品が「さよならララ」であり、そこが魅力の一つでもあるんだな、と全話納品して見返しているときに感じたんですよね。
◇小出卓史監督の力を最大限引き出すには?
--特に苦労したことは?
うーん、なんでしょう。もう作業が終わってしばらくたつので、苦労が形を変えてしまったんですよね。思い出そうと思えば、いくらでも出てくるのですが、完成した作品を見るとどの苦労も「必要なものだったかもな」みたいな気持ちになってしまって……。そしてまた次の作品の現場が始まると、「ああこんな苦労してたわ!!」と思い出すので、毎回学ばないな、と反省をしています。本当に良くない。反省!!
--ボツになったけど、こんな案もあった……ということもある?
うううん、今は言えません!! でも、たくさんの紆余曲折がありました。なので、あっち行ったりこっち行ったりしながらも、同じ船に乗り続けてくれたスタッフの皆さんには、本当に感謝しかありません。もし詳細を聞きたい場合は、最終回後にもう一回取材してください(笑)!
--今作ならではの挑戦になったことは?
もちろんアナログセルを使用したオープニングですかね……と言いたいところですが、この話はいろいろなところでいろいろな方がお話してくださっていると思うので……。自分のポジションならではで言うとしたら、「小出卓史監督の力を最大限引き出すには、どうしたらいいか」でしょうか。小出監督は、自分が入社してから初めてしっかり関わった作品(「少女☆歌劇レヴュースタァライト」)で初コンテ、初演出、初副監督だったんですよね。そして、何度も助けてくれたスタジオの先輩でもありました。多分ものすごく長い時間を一緒に過ごしていますが、監督としての小出さんを見るのは、もちろん私も今回が初めてのことになるんです。アニメはやはり一人では作れませんから、チームの中で監督となった小出さんがどんなキャラクターとしてスタッフに認識されるのがいいんだろうか……、どうしたら監督の小出さんが、そして他スタッフがいいものを作り出せる環境になるのだろうか。私は監督の小出さんにどこまで寄り添ったり、怒ったり、したらいいんだろうか……いや、しない方がいいのだろうか……と、ずっと考え続けていました。今もまだ分かりません(笑)!
--最後にメッセージをお願いします。
「さよならララ」はたくさんの人の人生の欠片が集まって出来上がりました。ララちゃんがこれから選ぶ選択を、歩む人生を、ぜひ最後まで見届けてあげてほしいです。どんな結果になっても! そして、この作品の“何か”が、見てくださっている皆さんの心に、気持ちに、なんとなく良い影響となって届いていれば、うれしい限りです。
「さよならララ」は、毎週日曜深夜0時半にTOKYO MXほかで放送中。(阿仁間満/MANTANWEB)
提供元:MANTANWEB











