神月柚莉愛:声を想像できない謎のクジマ いかに演じたか アニメ「クジマ歌えば家ほろろ」インタビュー

配信日:2026/04/18 7:01

アニメ「クジマ歌えば家ほろろ」でクジマを演じる神月柚莉愛さん
アニメ「クジマ歌えば家ほろろ」でクジマを演じる神月柚莉愛さん

 「ゲッサン」(小学館)で連載された紺野アキラさんのマンガが原作のテレビアニメ「クジマ歌えば家ほろろ」が4月からTOKYO MX、MBSほかで放送されている。鳥でも人でもない、得体の知れぬクジマが、若干ピリついた空気が流れる鴻田家に居候することになり、新しい風を吹き込むホームコメディーで、謎多き生き物・クジマを演じるのが神月柚莉愛さんだ。マンガを読んでいて、クジマは一体どんな声を発するのか想像できないところもある。そもそもクジマは可愛いのか? 声も可愛くなるのか?などとアニメを見ていない人は疑問が浮かぶかもしれない。神月さんは、いかにクジマを演じたのだろうか。

 ◇ロシア語やなまり カタカナも

 クジマは、鳥あるいはペンギンのような外見をした、ロシア生まれの謎の生き物。痩せ型、高身長で、人間のような手足があり、言葉を話す。日本語は勉強中だがかなり達者。「クジマ歌えば家ほろろ」では、何だかよく分からない生き物が自然に存在している。

 「オーディションを受ける前からXで作品を見たことがあって、なんだこの生き物!?となって(笑)。クジマという不思議な生き物がいるのに、日常が繰り広げられていて、あまりにも自然にクジマがそこにいます。現実の世界にもクジマっていたっけ?と思わせてくれるくらい自然なんです。その世界観がものすごく素敵だなあと感じていて、なんだこの生き物?と思っていたクジマも知るごとに愛が増して、今ではすっかり愛おしい存在です」

 クジマはしゃべる、歌う、鳴く。得体の知れない生き物ということもあり、声が想像できないところもある。

 「私自身もクジマはどうしゃべるんだろう? どんな声を出すんだろう?と全然分かりませんでした。資料を見て、分からないなりに、求められている声質を忠実に再現しようというところから始めました。『グレーテルのかまど』というテレビ番組のかまどのイメージ、怒ったり、ロシア語のセリフは、声が低くなりますという説明がああったので、オーディションテープを録音するときは何度も聞き直しながら繰り返して演じました。最初は声だけは可愛いのかな?とも思ったのですが、資料を読んだら意外にそうでもなさそうで。発見したり、驚いたりしたときは汚いな声を出しますし、心がくすぐられるような、生き物感を出せたらとこだわりました」

 読者が想像できない声を表現するのは容易ではない。しかも、クジマはロシア語もしゃべるからハードルが高い。神月さんは「ロシア語は初挑戦」だったという。

 「オーディションのときは、ロシア語のガイドを聞いて、カタカナで書いて、耳で覚えました。既にアニメの収録が終わっているのですが、オーディション時のロシア語を聞き直すとめちゃくちゃです。そのときはロシア語を勉強すらしていなかったので、クジマ役が決まってからロシア語を勉強しました。収録では、ロシア語監修の方が付いてくださるのですが、実はロシア語よりもロシアの方の日本語なまりがすごく難しくて……」

 ロシア語圏の人が日本語をしゃべるときの独特のイントネーションが求められたという。

 「ロシアの方の日本語なまりの二文字目を上げることが多くて、『わたーしは』という感じなんです。慣れないなまりですし、頭の中が混乱しました。日本語をしゃべるロシアの方のYouTubeを見て、なまりを研究しました」

 難役ではあるが、収録は「とにかくやりたいようにやらせていただいた」という。

 「クジマはロシアから日本に渡って来ているので、私にとっては当たり前のことでもクジマからすると新鮮なんだと思います。童心に戻って、その新鮮さを忘れないようにしようとしました。それとくちばしですね。クジマにはくちばしがありますが、どんな感じなんだろう?と考えた際、自分で体験してみようと思ってトイレットペーパーの芯を口に当てて話してみたりしました」

 原作を読んでいると、クジマのセリフにはところどころカタカナが混ざっている。特に語尾がカタカナになっているところも多く見られる。

 「例えば『楽しいネ』だと『楽しいネー』じゃなくて『楽しいネッ!』と語尾を上げたり、カタカナは、私の中では可愛いイメージがあるので、くねくね感を合わせて上げるようなイメージで、クジマっぽい語尾を表現することにこだわりました」

 ◇人間以外を演じる楽しみ

 神月さんはクジマを演じることで、日常に変化があったという。

「喉が鍛えられたのか、叫び声を出しすぎてしまうことがあります(笑)。喉がよく鳴るようになったんです。喉の奥を鳴らせるように鍛えたら、日常生活でもそれが出るようになってしまいまして。普通にしゃべっているのに、鳥っぽさが出てしまうんです。それと巻き舌ですね。子供の頃、巻き舌ができなくて、負けず嫌いなので悔しかったのですが、クジマを演じることで巻き舌ができるようになりました」

 神月さんは子役時代、2008年公開の劇場版アニメ「崖の上のポニョ」(宮崎駿監督)で主人公・ポニョの声優を務めた。2022年放送のテレビアニメ「ちみも」で「ポニョ」以来、約14年ぶりに声優に挑戦し、4月にスタートするテレビアニメ「小3アシベ QQゴマちゃん」でゴマちゃんを演じることも話題になっている。クジマを含めて人間以外の生き物の演技力の高さが注目されつつある。

 「人間以外の役を演じる際は、人間とは違った喜怒哀楽や表情があるのでいかに人間を捨てられるかを考えています。表には出ない感情を伝えることができていたらうれしいです。人間が演じているとは気付かれないように違和感をなくしていくべく、日々試行錯誤を重ねています。」

 ◇鴻田家キャストは家族のよう

 鴻田家の次男・新は学校の帰り道、自動販売機の下にある小銭を拾っていたクジマと出会い、家に連れ帰る。新を演じるのが村瀬歩さんだ。

 「村瀬さんは『クジマ』で飾り気なく、ナチュラルに新を演じておられます。クジマは作った声なので、クジマというファンタジーなキャラクターと日常生活を送っている人間の対比がはっきりしているんです。村瀬さんからは『クジマが主導なのでクジマに合わせている』とおっしゃっていただきました。だからこそ、村瀬さんと一緒にアフレコをしていて、私は思いきりクジマを演じようと頑張ることができました」

 村瀬さんとの共演を「一緒にアフレコさせていただいて、ものすごく勉強になりました」と振り返る。

 「『おはよう』『行ってらっしゃい』など一緒に言うセリフがあったのですが、私はまだ現場経験が少ないので、村瀬さんはすごく分かりやすく大きく息を吸って、察知できるようにしてくださったんです。村瀬さんとの共演は2回目ですが、クジマが暴れている時に新が落ち着かせるかのように、私に気を遣ってくださったんです。ロシア語でピンチになったときに『大丈夫、できるよ。クジマはできる』と励ましていただいてり、かけがえのない相棒と言うとおこがましいですが、家族のような存在で楽しく収録させていただきました」

 新の兄・英もキーパーソンだ。大学受験に失敗して以来、暗く神経質な性格になってしまい、部屋に閉じこもっている。阿座上洋平さんが英を演じる。

 「阿座上さんとの共演は初めてでした。共演させていただく方の出演作をなるべく見るようにしているのですが、英は、阿座上さんの力強さもありつつナチュラルさもあってイメージ通りの声で、こんなに英にぴったり合うんだ!と感動しました。クジマは自由な性格で、それをすぐに受け入れてくれる新とツッコミ役の英がいて、私自身すごく楽しく収録に参加させていただきました。アドリブでものすごく無茶振りをしたときも乗っかっていただいたこともあり、お兄ちゃんがいるとこんな感じなのかな?と収録を通して家族のような温かさを感じました」

 温かな空気に包まれた収録だったようだが、鴻田家から一体どんなドラマが生まれるのか。神月さんは「紺野アキラ先生の世界観を、そのままアニメ化したような魅力あふれる作品になっています。不思議な生き物クジマが出てくるからと、身構えることなく、気楽な気持ちで見ていただければクジマと同じ気持ちになったり、鴻田家と同じ気持ちになったりすると思います。ワクワク感を持って見ていただければ」と話す。謎の生き物・クジマと人間たちが織りなす愛おしい日々。そこにあふれるワクワク感を、ぜひアニメを通じて感じてほしい。(阿仁間満/MANTANWEB)

提供元:MANTANWEB

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