人狼 JIN-ROH:公開25周年記念 4Kリマスター、ドルビーアトモス化 藤本タツキや押井守がコメント
配信日:2026/03/12 10:00
押井守さんが原作、脚本を手がけ、沖浦啓之さんが監督を務めた劇場版アニメ「人狼 JIN-ROH」の劇場公開25周年を記念して、4Kリマスター化、ドルビーアトモス化されたことを受けて、メインスタッフと「チェンソーマン」などで知られるマンガ家の藤本タツキさんがコメントを寄せた。
藤本さんは「畳に寄りかかる、滑り台を滑る人間の重さ、セル画特有の色合い、人体のリアリティどれをとっても一流の技術が詰まった素晴らしい作品です。反政府勢力と警察の戦いという重厚なストーリーの中に、妙にリアルでポップな恋愛模様が描かれていてそれが大好きです。一つの童話を中心に話を進めていく感じ、そのままチェンソーマンのレゼ篇でパクりました。申し訳ございませんでした!!」と話している。
押井さんは「『人狼4K版に寄せて』 久々に見た『人狼』。さすがにリニューアルされた 4K版は映像も音響も素晴らしかったのですが、 何より昨今の日本映画では滅多にお目にかかれなくなった『政治と恋愛の葛藤』という古典的なドラマが涙腺に刺さりました。かつてはこういう男が生きて、こういう女と巡り合い時代の荒波に翻弄されていた-そんな時代もあったのです。脱イデオロギーの現在に真っ向から逆らう物語。そんな物語がアニメとして復活したとはなんとも皮肉な話ではあります。アニメファンならずとも、一度はご覧あれ」とコメントを寄せている。
同作は、押井監督と藤原カムイさんのマンガ「犬狼伝説」を基にしたオリジナルアニメ。反政府勢力掌握のための治安部隊・首都警の青年・伏一貴が、地下組織を追跡する中で、衝撃的な事件に遭遇してしまう。事件をきっかけに、伏一貴自身の“内なる世界”に変化が芽生え始める。2000年に公開された。
4Kリマスター、ドルビーアトモス版は、Production I.Gの最後のセル画劇場作品が、超高画質な映像と超高音質な音響でよみがえる。3月6日から劇場上映されており、4K ULTRA HDブルーレイとブルーレイの4Kリマスターセットが同25日に発売される。
◇演出の神山健治さんのコメント
「人狼 JIN-ROH」4Kリマスター&ドルビーアトモス版に寄せて 「アニメ映画の良さはアニメーションがいかに素晴らしいかで決まる」という事実を改めて知らしめてくれる素晴らしい出来栄えだ。制作当時、絵を描くことに携わったスタッフの信念が余すことなく収められている。オリジナル版は映像として物語の時代性を表現すべくフィルター処理が強くかかっていたが、 4K リマスター版は手描きの絵が持つすごみが明確に伝わるようなカラーグレーディングが施されさている。今ではなかなか実現することができなくなった、劇中の全ての事象を手描きのアニメーションで表現するという試みにただただ圧倒されてしまう。
◇副作画監督の井上俊之さんのコメント
4Kリマスターには不安がありましたが、全く違和感なくそれでいて見やすくなっていてスタッフとして大変うれしいです。それにしても「よく描いてるなあ!」いや「描かされてるなあ(苦笑)」。ぜひこの機会に劇場でご覧ください。
◇美術監督の小倉宏昌さんのコメント
4Kリマスター試写で映画「人狼 JIN-ROH」を久々に見ました。この作品で描いている街や古い住宅街の風景は、私が子供の頃生活していた町の記憶を頼りに描写した部分が多く、懐かしく感じたりしました。夜も商店などあまり多くはなく街灯も少なく、路地の暗さが思い出されるそんな自己体験をぶつけた作品です。ですが、地下下水道に入ったことはありません。昔の街の匂いのようなものを、この作品で感じてもらえたらありがたいです。
◇音楽の溝口肇さんのコメント
「人狼」の音楽制作に携わったのは、もう四半世紀以上前のことになります。あの頃、アニメーションはまさに手描きの最後の時代。一枚一枚に魂を込めるスタッフの執念が、あの圧倒的な映像の密度を生み出しました。音楽もまた、アナログからデジタルへと移り変わる過渡期の真っ只中にありました。制作には膨大な時間を要しましたが、その一つ一つの思案や試行錯誤こそが作品への情熱となり、音楽の深みとなって刻まれたと感じています。海外オーケストラとのレコーディングで追い求めた響きは、この物語の持つ孤独と哀切を余すところなく描き出せたのではないかと自負しています。手間と時間を惜しまなかった時代の熱がそのまま封じ込められた本作が、 (4K UHD)ブルーレイという最良の器でよみがえることを心からうれしく思います。どうかその画と音の隅々まで、味わっていただければ幸いです。
◇音響監督の若林和弘さんのコメント
公開からはや25 年……。このような機会をいただけるとは何と幸せなことでしょう。それも当時与えられた環境の中で最大限の努力を映像・音響ともに歩んできた結果が、このリマスター作業と再びの公開へと繋がったものと感じております。今回のドルビーアトモス作業ではオリジナルの演出を変えることのない範囲で、当時のシステム上表現しきれなかった部分を描くように務めました。冒頭や後半部で出てくる地下下水坑での反響感、突機隊の打つ MGの重厚・音圧感をオリジナルより広げ・強くしております。わずかですがね。その他にも見直していただければ、地道な変化しかしておりませんが損はさせない仕上がりになっていると思います。それでは最後までお楽しみくださいませ!
提供元:MANTANWEB











